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たとえば、君という裏切り

原案:栗俣力也
著者:佐藤青南



フリーライターの早田のもとへ飛び込んだ依頼。それは、ベストセラー作家の鴨志田玲から、自らについての本を書いてほしい、というもの。覆面作家として、表に出ることを一切、拒んだ彼女(そのことすら知られていない)は、パーキンソン病を患い、筆を折ることにしたという。そして、その人生について、記して欲しいのだという。鴨志田のインタビューを受けることにした早田だが、インタビューをする中で、彼女について興味が沸き……
まさかの展開だった。
物語は4編が収録された短編。しかし、読み終わると……
1編目の『最期のインタビュー』が、冒頭の粗筋の話。インタビューを続ける中で沸いてきたきた鴨志田への興味。幼い日の、物語を綴ることになったきっかけ。その後のアレコレ。そんな中でどうしても抑えられない、デビュー前の鴨志田の作品への興味。プロフィールを隠し続けてきたことの意味。そのような中で気づいた自分と鴨志田の接点。そこで……。短編という意味では、これだけで確かに物語は完結している話であるのだけど……
それでの2編目『名前だけでも教えて』。レストランでバイトをする僕は、常連客の女性に片思いをしていた。名前すら知らない彼女。周囲にはやし立てられ少しずつ、彼女と話をし、やがて(お試しで)付き合うことになるが……。思い人がいる、という彼女。しかし、付き合うこととなり、一緒の時間も増えて、という中で……。「束縛する男」とか、そういうのはよく言われるけど、何となくその状況が続いて、やがて、というのは、これまた一つの「愛」なのだろう。これまた、一つの短編としてまとまっており、ここまでは違和感を覚えなかったのだが……
3編目の中で「あれ?」というのを感じ、そして4編目で……
「震える純愛」とあるのだけど、この「純愛」の主語となる人物をどちらと取るかでまた、印象が異なる。こちら、の視点で考えれば……だし、あちらの視点で考えれば……。時を経ることによって変わってしまったこと。その中での行動。ただ、最後の手紙を受け取った存在にとっては……なのだろうな。

No.5480

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