FC2ブログ

竜と祭礼2 伝承の魔女

著者:筑紫一明



王都の護りの要である「杖壁」が何者かによって解かされた。魔法杖職人見習いであるイクスは、姉弟子に半ば押し付けられる形でその犯人の調査に臨むことに。竜の杖を持つユーイ、その友人・ノバの協力を得て、調査を進める中、魔女が住む森の伝承を持つ村へとたどり着き……
あとがきで著者も書いているのだけど、「竜と祭礼」というタイトルは1巻の内容を表したものなので、内容とは合致していないな、という感じ。
物語のカギとなるのは、「魔女」の存在。解かれた「杖壁」(結界のようなもの)は、それが作られたころにはまだ出来ていないはずの技術。それを作ったのは、魔女である、という話が出てくる。そして、その魔女は、ある村の祭で子供を攫い、それを喰らうことによって魔力を手にし、不死の存在であるという。そして、それはその村の近くの森で生きている……。
しかし、当初、魔女であるとされた存在は、年を取り、間もなく死を迎えようという状況であるという。何とか、彼女の話を聞くことが出来たイクスだったが、確かに彼女は魔女に攫われた存在。技術もまた、魔女によってもたらされたもの。しかし、自分は魔女のもとから逃げ出した存在であるという。そこで、魔女の住む地へ向かうのだが……
内容として、民俗学とか、そういうものを感じさせる。村の人々は魔女を恐れている。しかし、同時に魔女の存在こそが、その村の祭を盛り上げる存在でもある。また、現代の日本のように、社会制度とか、そういうものが整っていない世界において、魔女が人を攫う、ということの意味。魔女の存在を恐れつつも、しかし、同時に村の繁栄とか、そういうものにとって欠かせない存在である、というある種の共存共栄関係。その在り方が印象に残る。
その上で、そんな魔女との関りを持つ女性・カミラ。さらに、イクス自身……
ユーイについての話もあったのだけど、魔女と村の関係性、っていうのが印象に何よりも残った。

No.5491

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
にほんブログ村

この記事は、「新・たこの感想文」に掲載するために作成したものです。
他のブログなどに、全文を転載することは許可しておりません。
「新・たこの感想文」以外で全文を転載したブログ等がありましたら、それは著作権を侵害した違法なものとなります。

スポンサーサイト



COMMENT 0