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騒がしい楽園

著者:中山七里



埼玉県の片田舎から、世田谷の幼稚園へと赴任した神尾舞子。そこでは、子供たちの声を巡っての騒音騒動、待機児童を巡るイザコザ、そして、保護者同士のイザコザといった問題を抱えていた。そんな矢先、幼稚園周辺で小動物が殺される事件が連発。さらに、それは殺人事件にまで発展して……
『戦う君の唄を』にも登場した神尾舞子を主人公にした作品。舞台も変わってはいるけど、幼稚園という点は同じ。
はっきり言って……出来が悪い。
過去にも書いているのだけど、著者の作品って、社会問題を取り扱いながらも一面的だったり、勘違いが頻発していたり、ただの俗説だったり、というのが多くて問題提起にすらなっていないものが多い。その部分は本書についても同様で、幼稚園をめぐる話などについて、いくつかの話を提示してはいるのだけど、長々と新聞記事か何かのデータをそのまま書き写したような文章が続いたりとかで冗長。
それでも、読んできたのは、著者の武器であるひっくり返しの鮮やかさがあるのだけど、本作の場合……
冒頭の粗筋で書いたように、様々なトラブルを抱えている幼稚園。そんな中、幼稚園で飼っている金魚、周辺にいたと思しきヘビ、さらに鳥、猫……と、次々と動物が殺される事件が発生。事なかれ主義の園長は、子供を守るため、という口実で職員に見回りをするようにと指示することに。ところが、舞子が担当したその日に、彼女の担任する子供が他殺体で発見される……と流れていく。
ただ、正直なところ、話が冗長。本当に、それだけの話で1章、2章と続いていって、話が進まない。そして、その中で主人公の舞子らは、ほとんど推理とかには関わらなくて(勿論、事件捜査は警察の本分だといえば、そうなのだけど)、事なかれ主義の園長とかに対して、冷ややかな視線を浴びせるだけ。そして、物語の最終章になってようやく、舞子らが事件に関わりだして……
これ、ひっくり返しでも何でもない。一応の容疑者が出て、そうではなく、という形にはなるのだけど、明らかに証拠不十分なのでバレバレ。しかも、真犯人は、というと……それはないでしょ、っていう形の人物。しかも、特定の方法が雑!
幼稚園の抱えている問題などは、言うだけ言って解決も何もない。事件はすごく雑。完成度が低い、と言わざるを得ない。

No.5504

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COMMENT 1

-  2020, 06. 26 [Fri] 22:08

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