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綺羅星 銀座ともしび探偵社

著者:小松エメル



大正浪漫の街を歩いては「不思議」を拾う探偵たち。
シリーズ第2作。前巻を読んだときは、謎解きなどをメインにした話なのかな? という前提で読んだので、戸惑うことも多かったのだけど、今巻は最初から不可思議な出来事を目の前にした話、という前提で読んだこともあり、戸惑いなどなく読むことが出来た。
で、この巻は木下、小山田の掘り下げが多かった話かな? と思う。
『開かずの間』は、木下が女子校の開かずの間を調べに行く話。誰もが見とれる美青年であるが、女性が苦手な木下。なぜ、自分が女子校へ……。そこで出てくるのは、鍵があるわけでもないのに、開けることのできない扉。それを前にした時に木下の心に浮かぶのは自身の過去。
元新聞記者である木下。その美形から、勝手に期待され、堅実な記事を書いても「つまらない」と言われる。そして、その美貌故に呼び寄せてしまったトラブル。自分自身が望んで手に入れたものではない。しかし、その特徴故に、勝手にハードルを上げられ、トラブルを背負い込む。それがきっかけとなり、そんなトラブルを呼び込む女性が苦手に……。例えば、教師の子なのに勉強が苦手、とか、そういうところでハードルをあげられて、という話はあるけど、他で努力をしてもなぜか期待外れのように言われる。その劣等感が印象に残った。
『十二階下の少年』は、小山田の話。なぜか不思議を呼び寄せてしまうのと同時に、他者に関心を持たない小山田。そんな彼が唯一、心を寄せる存在が娼婦のユリ。そんなユリの元へ通う少年と知り合い……
他人に関心を寄せない、という風には書かれているけど、そんな感じではない、という印象。確かに同僚とかには冷淡な部分とかもあるけど、ユリのこと
そして、そんなユリの元へ訪れる少年を弟のようにかわいがり、その事件の結末に憤る。ただ、不器用なだけじゃないのか? という感じがしてならない。
そして、不思議なことが減っている、単純化している、ということに気付いての表題作。そこで現れたのは、世の中の「不思議」をなくしている、という集団。そんな集団に対して、探偵社の面々が思ったのは……
なんか、終わり方としてスッキリしない、という部分はある。あるのだけど、ここまでのエピソードで木下にせよ、小山田にしろ、不思議と関わって生きてきた存在。そんな存在だからこその反応がある。そういう結末だったのかな? という気がする。

No.5517

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