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呪殺島の殺人

著者:萩原麻里



目覚めると、そこには女性の遺体が……。すべての記憶がない僕は、どうやら秋津真白という名で、死んでいるのは伯母で、屋敷の主・赤江神楽だという。穢れを背負った呪術者の末裔は、皆、悲惨な死を遂げる。そんな話が残る中、赤江神楽もまた、その呪術者の末裔であるという。甥に殺されたのもその呪いなのか? 真白は、幼馴染の古陶里と共に事件の謎に挑むが……
THE・クローズドサークル!
っていう雰囲気なんだけど、ちょっと違うのは、やっぱり設定の妙にあるんだろうな。
冒頭に書いた粗筋の通り、記憶を喪った状態で、伯母の遺体と共に発見された真白。部屋には鍵が掛かっており、状況的に真白が犯人であろう、という環境。しかし、真白自身は自分が誰なのかも記憶にない。そして、伯母にとって唯一の肉親である真白は、その莫大な遺産を受け継ぐ立場。わざわざ殺す必要があるのか? さらに、部屋に設置された防犯カメラのデータはなぜか奪われている。状況的には真っ黒だが、しかし、なにかチグハグ。
そんな中、館は台風によって孤立し、館へ続く山道で、島の駐在員の他殺体も発見される。さらに、館に集まった面々も次々と殺害されて行って……
そこだけだと、どういうトリックで? とか、そういうところがクローズアップされると思うのだけど、この話の面白いところは、話が進むにつれ、どんどん、事件の背景が明らかになっていく点。真白にとって、自分を擁護してくれると思われた存在が一転したり、はたまたその逆だったり。はたまた、島に来る前から、真白を脅迫している存在がいたり、でも、その脅迫者の目的を考えると、真白を犯人に仕立て上げることが得策とも思えない。いろいろな思惑がある。しかし、それがどんどん入り組んでいく様に引き付けられた。
事件の真相、黒幕の思惑についてはちょっと極端かな? と思ったところもあるのだけど、クローズドサークルの中にあって、それぞれの思惑が交錯していく様がすごくよかった。

No.5519

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