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推理小説のようにはいかない ミュージック・クルーズの殺人

著者:宮ヶ瀬水



ピアニストとしての将来性を嘱望されながら、それを捨てて大学の数学科へと進んだ利佳。趣味で音楽活動をする中、彼女は、親友である卯月と共に名古屋港で行われる式典にボランティアに参加することに。最大の懸念は、卯月が極端にハプニングに巻き込まれること。実際、式典の後、横浜港への岐路で事件に巻き込まれてしまう。密室の船内でボランティアの一人が殺害されたのだ。初対面のはずの乗船者の中で誰が、なぜ? 利佳と卯月は、推理を巡らせることとなって……
タイトルは「推理小説のようにはいかない」とあるけど、しっかり推理小説だよ!(笑)
冒頭の粗筋で書いたような形で発生する事件。推理小説好きの卯月は、その知識をもとに推理をすることにするのだが、第二の殺人も発生。
まぁ、卯月、利佳が言うように、所詮は素人。小説の名探偵のように、警察などが協力をしてくれないし、検証などの能力があるわけではない。だからこそ、素人なりに、確実に「これは言える」ということを積み上げていく形で考えを進めていく。しかし、自ずとそれには限界が……。しかし、そんな中で、第二の事件が発生する……
で、主人公である利佳たちには知る由もないのだけど、読者視点で言えば、別視点で、東京都内で起きた殺人事件の容疑者が関わっていること、そして、船の中にそれとは別件で、窃盗犯の仲間が潜伏していることもわかる。そういったものが船の中で化学反応を起こしていって……
どちらかというと、事件の真相とか、その辺りについてはアッサリ目。その中で、目立つのは利佳と卯月の関係性。人見知りで、トラブルに巻き込まれてばかりの卯月。そんな卯月のことをフォローしつつ、ある意味、保護者のように接する利佳。その関係性の温かい関係性が微笑ましい。
……のだけど、それが、最後の最後にきて……
謎解き、という部分とは違っているのだけど、こっちでのひっくり返しの意外性というのがものすごいアクセントになっていた。

No.5531

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