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星降る夜になったら

著者:あまさきみりと



高3の三学期。卒業のため、美術の補講を受けることになった花菱准汰。そこで、出会ったのは渡良瀬佳乃。ヘッドフォンをつけ、周囲から浮いた、不器用な彼女は、しかし、人と触れ合いを求めていた。そんな彼女と美術部で活動する中、准汰は佳乃に惹かれていくが……
文字通りに「思わぬ」展開。
冒頭に、物語の粗筋を書いたのだけど、前半は多分、その粗筋から想像できるような形で進んでいく。補講のために、美術部へ行くことになった准汰。そんな美術部の部長にして、唯一の部員である佳乃は不器用で、しかし、寂しがり屋。そして、不器用ながらも、自分の好きなものを語りだしたら止まらない、というようなそんな子。当初は、そんな彼女に振り回されつつも、惹かれていく。だが、佳乃はある病に侵されていて……
何でも願いをかなえる、というスノードロップ彗星の奇跡が起こり……
……でハッピーエンドならば、非常にストレートな物語と言えると思う。ところが、その願いには代償もあって……で、物語は後半戦へ。
この話って、ある種、「無償の愛」とか、そういうことになるのかな? 願いはかなった。けれども、それまでの感情やらは消えてしまい、関係性もなかったことに。それでも、何か関係があったのではないか? という想いもまたある。その中で抗うのだけど……
後半に入って描かれる佳乃視点での物語。過酷な過去を背負い、しかし、そんな彼女を支えてくれた叔父。そんな叔父に恋をし、一緒に家族のようになってくれた女性。そして、准汰……。その中にあるのは、それぞれの佳乃への想い、愛。
この物語は、ファンタジーというか、超常現象的な奇跡とでも言うべきものを用いている。でも、そうじゃなくて、学校生活の中で何かに打ち込んで、でも上手くいかなかった……なんていうことは、多くの人にあると思う。その時に、支えてくれていた人なんていうのもいるはず。結果として、何も達成できなかったかもしれない。けれども、何となく、でも残るものがあった、なんて感じることはある。もやもやとする終わり方ではあるのだけど、そういうものを頭に思い浮かべずにはいられなかった。

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