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寝屋川アビゲイル 黒い貌のアイドル

著者:最東対地



顔と身体に広がる黒いシミ。何者かの呪いを受け、アイドルという仕事を奪われたるる。恐怖におびえる彼女は、大阪で霊能者の元へと駆け込む。そこで待ち受けていたのは、パチンコに明け暮れ、AVソムリエの名をもつアビーと、口の悪すぎるゲイル。二人の元へ厄介になるものの、呪いを解こうとしない。それどころか、「厄霊」なる強大な怨霊の取り憑く土地へ連れていかれ、手伝いをさせられることになり……
大阪弁でひたすらにまくしたてられるようなやりとりがまず印象的。帯には「ボケとツッコミと恐怖」という言葉があるのだけど、物語中、とにかく、霊能者2人とるる、3人のやりとりが多くそこは完全に漫才状態。っていうか、アビーとの出会いとか、いきなりAVの話とかはじめるし。その後も、やりとりが数多くある。
ただ、その一方での呪い、厄霊を巡っての解決法のブラックさというのが強烈。
最初にるるが連れていかれた住宅地。奇妙なことが起こる、ということで訪れた場所で見たのは、そこで恨みを残して死んでいったキリシタンたち。その呪いが、その住宅に住む人々に……。そこで、アビーたちは、問題を解決した……はずだった。しかし、その結末は……。ここで「え?」と思わせて次の事件。一人暮らしをする高校生。親が購入したマンションで暮らしているのだが、なぜか、そこでは焦げ臭い匂いが……。その謎を解き、問題を解決するという二人だったが……
厄霊は、もはや、人の手に負える存在ではない。だとすれば……
るるを含めた三人のやり取りが、ボケとツッコミ、みたいに言われるような軽いものなのだけど、厄霊を巡っての部分はかなりブラック。本当に「どうしようもない」ものだからこそ、そうせざるを得ないのだろうけど、いきなり言われれば確かにるる同様に衝撃だった。るるが、それに対抗しようとするが……っていうのが入ることで、そのやるせなさ、っていうのが余計に際立っている。
ただ、るるがどういう存在なのか? とか、そのるるに広がっていくシミであるとか、そういう部分については終盤、よくわからないままに解決してしまったな、という感じはある。もうちょっとそこは丁寧に書いてくれても良かったかな、という風に感じたのも確か。そこまでの、厄霊、という存在の「どうしようもなさ」が印象に残るだけに。

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