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ドラキュラやきん!

著者:和ヶ原聡司



太陽の光を浴びると灰になってしまう存在、吸血鬼。現在に生きる吸血鬼・虎木由良は、夜勤専門で池袋のコンビニで働いている。そんなある日、酔っ払いに絡まれている金髪美少女を助けたら、彼女は吸血鬼退治を生業とするシスターであった。ひょんなことから、そのシスター・アイリスは、虎木の部屋へと転がり込んできてしまい……
というわけで、著者の新シリーズ。
こういうと何だけど、思っていたのとは違ったな、という感じ。主人公がコンビニバイトをしている、っていうので、そこでのアレコレとかを描きながら、ということを想像していたのだけど、コンビニでのアレコレは一切なし。吸血鬼退治の専門家であるアイリスとなし崩し的に同居することとなり、アイリスの仕事を手伝うことに……と展開していく。
まぁ、『はたらく魔王さま!』の真奥同様、本作の主人公・虎木も真面目、というか、常識人というか、そういう部分は共通。吸血鬼ハンターだけど、男性恐怖症のアイリスを助け、しかも、何やかんやで心配だから、ということでその捜査にも同行。さらに、その潜入先のライブハウスでバイト先の店長の娘を見つけたら、ちゃんと大人として指導をする、とかそういうところは共通しているし。そういう点ではブレていないのかな? と思う。
その上で言うと、結構、この作品は正統派な伝奇ものとしての面を強調しているな、というのを感じた。
当初は、問題を起こす吸血鬼によるトラブルをアイリスと一緒に……というところだったのだけど、その中でだんだんと現れてくるのが、虎木自身のこと。吸血鬼にされ、年齢を取らなくなってしまった自分自身。一方で、そんな自分とは別に年老いていく弟。何とか、弟ら、家族の生きているうちに、自分も人間に戻りたい……。さらに、吸血鬼など、人外の存在を巡ってのアレコレ。最初は、『はたらく魔王さま!』と同じように、人外の存在が、人間社会で働くことでのコメディみたいなのを予想していたので戸惑った部分もあるのだけど、世界観が明らかになってくるうちに、伝奇モノ的な部分で、どうなっていくのか? というところを楽しめるようになっていった。
で、そんな虎木を吸血鬼にした存在との対決とかもあるのだけど、その辺りは結局、有耶無耶のまま……。結構、この展開だと早い段階で相手が明らかになっているだけに、これをどういう風に広げていくのかな? というところに期待したい。

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