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LEAK 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子

著者:内藤了



正月の秋葉原。公園で発見された遺体は、下半身をマンホールトイレに入れ、体内には大量の現金が詰め込まれていた。さらに、都内の各地で同様の他殺体が発見される。年齢も性別もバラバラな被害者の共通点が見つからない中、比奈子ら厚田班は「猟奇犯罪捜査班」として捜査に加わることに。そんな中、比奈子の元に、犯人を名乗る者から電話が入り……
シリーズ第4作。
これまでのシリーズの中で、一番、やりきれない結末だったような……
物語は、冒頭に書いたような身体に、数十キロ単位の現金を詰め込まれて殺害される、という事件を追う、という形で展開。これまでの事件は、どちらかと言えば、狂気を感じさせるような事件だったのだけど、今回はちょっと様相が異なる。生きている人の口に、次々と硬貨を押し込んで……という殺害方法は確かに、残虐だし、異常な形ではある。しかし、周囲の防犯カメラなどを欺く方法など、実に冷静にそれが行われていることを示唆している。そして、被害者が誰なのか? という点についても……
しかし、それでも捜査を進めていく中で、少しずつ被害者の身元へと近づき、そして、その被害者が……というのも明らかになっていく。そして、その繋がりも見えてくるのだが、だが、じゃあ、比奈子に電話をしてきた者は何者なのか? そして、その目的は何なのか?
犯人が誰なのか? というのは、物語の流れの中で、ちょっと唐突に挿入されたエピソードがあるために、この人だろう、というのはわかる。ただ、だとすれば、電話の意味は? というのがわからなくなってくる。そして、その意味が判明したとき……
事件のきっかけはある意味、自分の正義を守るため。しかし、その行動をしている中で見えてきた破綻。それは、逮捕されそう、ということではなくて、事件を行っていく中で変わってしまった人格。そこには……。最初に、狂気という感じではなかった、ということを書いたけど、だんだんと狂気に飲み込まれつつある、というのを自覚し、それを防がねば……というところの悲しさが何よりも印象に残る。このシリーズ、タイトルの通り「猟奇犯罪」が行われるけど、それが人の心を蝕んでいくのか、というのを感じる。それこそが、「猟奇犯罪」の怖さ、なのかも。
そんな中で、中島、太鼓屋のお婆ちゃんらとは別に、過去の事件関係者とかも登場し、今後にも結び付いていきそうな伏線が出て、単独の物語から、色々と繋がっていきそうな予感もある。

No.5622

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