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妖の掟

著者:誉田哲也



盗聴器の仕掛けがバレ、ヤクザに袋叩きにあう情報屋の圭一。そんな彼を気まぐれで助けたのは、坊主頭の欣二と、美貌の女・紅鈴。そんな縁から、圭一の部屋に転がり込む二人だったが、彼らには秘密があって……
という風に書いては見たけど、あんまり内容に合致していないような気がする。
物語としては、著者のデビュー作『妖の華』の前日譚となる物語。……それだけで、わかるかも知れないけれども、紅鈴、欣二は、不死の存在である「闇神」。そして、『妖の華』で起こったという組長連続殺人事件の顛末を描いた物語と言える。
前作の感想で、主人公のヨシキが可愛い、というような感想を書いたのだけど、本作の場合も同様のことを圭一に対して思った。
暴力団抗争が起こりつつある状況。その中で一方の暴力団の情報屋として、活動をしている圭一。だからこそ、もう一方に追われることとなった。そんなところを闇神の二人に救われた。風俗嬢として働く紅鈴と、そのヒモという欣二。しかし、二人とも年齢の割にやけに年寄りじみた言動が目立ち、さらに行動も不可解なことばかり。そして、その中で、二人が人外の存在である、ということを知るのだが……
アッサリと受け入れる圭一、すげぇな!
しかも、パソコンなどについて教える中でだんだんと打ち解ける三人。欣二には情報収集の仕事も手伝ってもらい、仕事も順調。だが、それでも抗争は激化。その中で、圭一は、自分の雇い主に思わぬ仕事を依頼されて……
その事件までを含めて順調な三人の関係。勿論、その仕事の報酬を、というときに色々あるだろう、というのも想定済み。だから、その準備もしていた……はずだったのに……。秘密を抱えた闇神の二人と、そんな二人と素直に打ち解けた圭一。その絆をもって幸せな方向にも進める、と思ったのに……
『妖の華』の中での設定へと進んでいく、というのがわかるだけに、どうしても答え合わせ的な感じになるし、そこで感じた不可解なところなども解消はされている。そういう意味では、前作を上手くフォローしている、と言えるのだろう。ただ、ちょっと駆け足という感じもするし、また、どうしてもこうなるよね……とも。
単独で見ると、ちょっと終盤が……とも思えるのだけど『妖の華』と合わせると、上手く補完しあえているな、というのを思う。

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