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好きで鈍器は持ちません! 鍛冶と建築を極めた少女は、デカいハンマーで成り上がる

著者:山田どんき



育ての親であるレイニーに憧れ、冒険者学校に入ったは良いが、剣も槍も全く才能が伸びずに追放されたハンナ。餓死寸前となった彼女を拾ったのは、工事現場。そこでハンマーを手に取った瞬間、才能は開花した。建築や鍛冶は勿論、戦闘にも使える「鈍器スキル」を身に着けた彼女は再び、冒険者の道を目指すことにして……
「小説家になろう」からの作品らしい鈍器無双と、結構、胸糞悪い世界観が印象的だった。
RPGとかのように、武器などを使っているとそのスキル、レベルというようなものが上がり、スキルが上がる、というような世界観。そんな中で、ハンナが持っていたのは、鈍器の才能。工事現場で釘やら何やらを打つだけでどんどんレベルが上がり、気づけば鈍器レベル1億オーバー。もはや、鈍器とか、そういうレベルじゃなくて魔法みたいなことまでできるとか凄まじいことに。何しろ、そのスキル名が「千本釘」だったり、「空気の杭」だったりで、周囲からも「魔法!?」と言われるレベル。スキル名を言わないと発動しないけど、結構、恥ずかしいスキル名だった、とかその辺りのギャグが好き。
ただ、その一方で、世界観というか、周囲のキャラクターのゲスっぷりも印象に残るところ。
何の才能もなくて、学園を追放された。ただ、その理由は、学園卒業生の「冒険者試験合格率100%」を守るため。とかだし、冒険者として頭角を現しても、常にズルをした、みたいな言われ方で常に周囲の面々はハンナをバカにする。さらに、ハンマーは、邪心が持っている道具だ、ということで大工とかを含め、鈍器使いに対しては差別的なアレコレがあり、露骨にハンナを妨害する工作まで飛び出す。勿論、学園での成績がアレなハンナに……っていう想いはわからないでもないけど、それを差し引いたとしてもなかなか嫌な世界観であるのは確か。
ただ、その嫌な空気を軽くしているのは、ハンナのモノローグだとは思う。ある意味、卑屈というか、ちょっとシニカルな物言いで語られていくのだけど、風刺がきいていて客観的に見て、胸糞悪い部分も上手くギャグに昇華している。その辺りのバランスっていうのが、読みやすくしている部分なのかな? なんていうのを思う。これ、ハンナがこういうキャラクターじゃなかったら、読んでいてかなり嫌な気分になると思う。
ただ、そんな中でも、ハンナの実力を認める……というか、懐く存在が出てきて……というようなところで終了。
この巻の内容だけだと、ネガティヴな雰囲気がまだまだ強く残っているだけに、もっと、文字通りの「成り上がり」を読んでみたい。

No.5643

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