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スーパーカブ reserve

著者:トネ・コーケン



大学進学のため、町田の新しい家。愛車であるカブの傷をなぞりながら小熊が思い出すのは、高校時代の些細な出来事で……
ということで、本編では描かれなかったエピソードを綴った物語。
……多分、これ、カクヨムで連載していたものを、そのまま本にしたんだろうな……。これまでの本編では、細かな章分けでも、小熊の日々のこととして時系列で一本の物語になっているのでそんなに気にならなかった。でも、この巻に関しては、過去の様々なエピソードを振り返る、という内容。一応、各章について、「高校〇年 △月」とは書かれているのだけど、いつもながらの淡々とした文体と、数ページ程度のショートショートくらいの話と、数章単位の話が混在するので、ちょっと読みづらかった。もうちょっと、短編としてわけでも良かったんじゃないかな? という気がする。
などということを書いた上での感想。
何というか、これまでの巻でも思っていたのだけど、小熊って、老成している、というか、達観している、というか……。結構、他者に対して辛辣だよね、と思う部分が『子供の玩具』。奨学金の関係で、静岡を訪れた小熊が見たのは、父親にバイクをねだる少年。そんな少年を見て、「あれは……」と思う小熊。かなりの上から目線だけど、そういうのも小熊だよな、と感じる話。
でも、そんな小熊も、礼子、椎との中では……。というのが、クリスマスに関する話。椎の家に集まり、パーティーを、という話なのだけど、それぞれがプレゼントを持ち寄って……というような話。その中で、小熊は、椎の妹・慧海に……ということ。ある意味、慧海の行動だって、本人の信念みたいなものはさておいて、客観的には中二病的な部分も感じられる。でも、そんな慧海の本気、に対して、まっすぐに応えている、というのは、親しいからこそ、なのかな、というのを思う。そうでなければ……とも思うし。
ただ、物語として、小熊の大学進学というので、人間関係がリセットされる瞬間というのは言える。この作品の舞台は、ここまで山梨だったわけだけど、小熊、椎は、都内の大学へと進学。都内と言っても、それぞれ、生活圏は全く異なるもの。自分も、千葉県の最果て出身で、大学進学を機にして、リセットの経験があるだけに、そのような状況で小熊がどうなっていくのか、というのは気になるところ。

No.5651

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