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私が結婚をしない本当の理由

著者:志駕晃



青山の一等地にオフィスを構える「スマイル結婚相談所」。会員になれば3か月で結婚が出来る。そんな評判を頼りに、そこには様々な相談者が訪れる。そんな人々を迎える所長の岸本とスタッフの希。二人もまた、実は独身で……
なんかネット書店の粗筋だと、岸本と希が訪れた相談者の謎などを解く話みたいに見えるのだけど、全くそんなことはない。そうではなくて、相談者が結婚できるように、様々なアドバイスをしたり……という「お仕事小説」である、という方が正しいだろう。
大手食品会社に勤める女性。イケメンで、年収も良いがマザコンな男性。オタクで、家事手伝いの女性。とにかく理詰めで物を考える研究者男性……。そんな面々について、主人公の二人は面接をし、その上で様々なことして結婚へと導こうとしていく。それは、相談者の希望を聞く、とか、そういうことだけでなく、言い方は悪いが「身の程を知らせる」ということであったり、はたまた本人ではなくて、親の方を誘導してみる、なんていうことだったりと多岐にわたる。
正直なところ、私は婚活ということをしたことがないし、(結婚を含めて)するつもりもないし、っていう人間で、どこまで正しいのかは知らない。けれども、読んでいて「なるほどな」と思う部分は沢山あった。理想と現実のギャップとか、そういうのもあるし、「中身勝負!」なんていうけれども、それでも……というところもある、とか……。そういうのも含めて、就活と婚活は似ている、なんていう言葉がぴったりと来る気がする。
そのような中で岸本、希、双方が結婚をしない、できない理由というのも描かれていくのだけど……
ここで、ただ結婚相談所がどういうところなのか? という点だけでなく、結婚は「個人間だけでなく、家族間の問題」というようなところと繋がる話がクローズアップされてくるように言う。いや、家族間というよりも、本人と(元)保護者である親との関係とでもいうか……。それは、マザコン男性はそのまま当てはまる部分があるし、そうでない場合でも……。例えば、親の側に「こうしてほしい」という要望があったり、価値観を刷り込まれていたり、場合によっては、親の存在そのものが……。まぁ、確かに中には「家柄が」「一族が」云々という人もいるのだろう。だろうけど、多分、実際には親、せいぜい祖父母くらいまでの価値観とか、そういうところが大きいのではないかと思う。それが、一番厄介であることもまた、事実としても。それを取っ払えば……。そういうメッセージがあるし、また、主人公二人もまた、そういうところを緩和しようと動いている、といような印象を受けた。
ある程度、予定調和な終わり方かもしれない。でも、読後感は良かった。

No.5652

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