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放課後の宇宙ラテ

著者:中西鼎



かつてはまっていた超常現象などについてを封印し、普通の高校生としての日々を過ごすつもりの圭太郎。そんな彼のクラスに転校してきたのは、名門私立で超能力者を自称していたという月城曖。周囲の、曖に対する苛めを見かねた圭太郎は、幼馴染の未想と共に曖を呼び、廃部となった数理研を再建するのだが……
何か、終盤にとんでもないところへ飛んで行ったぞ!
物語は、冒頭に書いたような形で始まる。幼いころ、ミステリーサークルで奇妙な出来事に遭遇して以来、UFOなどにはまり、その結果、周囲から孤立していた圭太郎。だからこそ、同じような過去を持っている曖を放っておけなかった。そして、曖は、かつて、超能力について研究をしていたアメリカに留学をしていた。しかし、その時に同行した姉の存在は、誰も覚えておらず、その存在を確認するためにも、姉が通っていた圭太郎の高校へ入り、所属していた数理研へと入ることに……
こうやって書くと、中二病な曖を……みたいに感じるかもしれないけど、曖も圭太郎も、決して非常識な存在ではない、普通の(?)オカルト好き。そして、未想を含めた三人での部活が始まる。やたらと専門的な部誌を読んだり、曖が留学時代に学んだ装置を再現してみたり。確かに妙な出来事は起こっている。けれども、圭太郎、曖、未想の三人での和気藹々とした部活ものという雰囲気。そんな中で、一種の三角関係と言えるような関係が芽生えてきて……という青春部活ものなんだ、と思ったら終盤に急展開。
これ以上先のところは書かない。ただ、その上での、圭太郎、曖の「同じような経験をしてきた」存在だけど、でも、違った部分があった、という点が印象的。どちらも、幼いころに不思議な出来事に遭遇して、それが原因として孤立した過去もあって……。だからこそ、打ち解けることが出来たともいえるけど、同じようだからこその違いに対する嫉妬などもあって……。この辺りの、近いからこそのすれ違いっていうのは印象的。
ただ、そこからの展開は良くも悪くも超展開。過去の不思議なことが、すべて繋がっていって……というのは見事とも言えるのだけど、一気に世界観が激変する展開にあんぐり……という感も。ただ、その中にあるのは、やっぱり友情と言えるもの。そこが貫かれての、最後の独白はほろっと来た。そういう意味で、終盤の展開はとんでもないところに飛んで行ったけど、しっかりと着地している、と言えるんだろう。
……で、その終わり方の回収、はえぇな! ハッピーエンドで良いんだけどさ。

No.5678

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