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雪の名前はカレンシリーズ

著者:鏡征爾



オリガ戦没記念年。災厄と祝祭を連想させる不思議な街。世界は「冬時間」と呼ばれる転生生物を、感情を代償に迎え撃つ人工天使たちの戦いが繰り広げられていた。そんな人工天使をサポートするカオナシとして、底辺の暮らしをする四季オリガミは、最強の人工天使・赤朽葉カレンと出会う。感情を教えてほしい、というカレンと共に戦うこととなって……
著者の作品は、デビュー作である『白の断章』以来、実に11年ぶり。あとがきでもあるように、著者自身、長らく作品を出せなかった、ということもあるのだろうけど。
で、内容について、だけど……これ、凄くコメントしづらい。
語り部は、オリガミなのだけど、全ての設定とか、そういうものを説明して……というわけではなく、断片的に、その時々の周囲との関係。自身の自意識。世界の様相。そういうものが、まるで詩か何かのように語られていく。人工天使とか、夏時間、冬時間というようなものについても、物語が進むにつれ、だんだんと、何となく感じられていく。そんな感覚。
ただ、その中でのカレンの存在感は抜群。恋を教えてほしい、というカレンの頼み。カレンと共に戦う。カレンは、オリガミに感情を求め、繋がりを求めていく。そんなカレンにある意味で振り回され、周囲からの注目を浴びる。そして、そんな中、自分は人間なのに、人間として扱われないという、オリガミ自身の自意識とも絡んでいく。その感情の揺れ動きとか、そういうものが印象的。
ある意味、この作品の世界観とかって、少し前に流行ったものに近いものだと思う。自分、あんまり定義とか、そういうのがよくわからないのだけど、いわゆるセカイ系とか、そういうものだと思う。実際、世界の秘密とか、そういうところも含めて、そういう形であるし。
主人公であるオリガミと、ヒロイン・カレンのやりとり。その中で感じるものたち。その結末に対する、何とも言えない読後感。そういうのを、「こうだ」と言い切れない部分も含めて、読んで感じろ! というような印象が残った。

No.5683

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