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探偵はもう、死んでいる。4

著者:二語十



名探偵を取り戻す。そんなあり得ぬ奇跡を起こすため、君彦は夏凪と共にロンドンへと向かう。だが、その飛行機の中で耳にすることとなったのは、「お客様の中に探偵の方はいらっしゃいますか?」と言う言葉で……
え? そういう風に終わる!? なんか、読み終わって、そんな印象が強く残った。
「調律者」の思惑に反し、自分たちでシードを倒し、シエスタを復活させることを決意した君彦たち。加瀬風靡から与えられた時間は10日間。その間に、確実にシードを倒すことが出来ると証明せよ、という命を受けることに。そのために、君彦は、シエスタの残したメッセージを手にするためにロンドンへ。一方、斎川は、その力を使いこなすため、コウモリとの修行へ……
そんなロンドン行きの飛行機での思わぬメッセージ。それは、飛行機の中で一人の女性が消えてしまった、というもの。そのメッセージが意味していたものは、「調律者」の一人である巫女という存在を示唆するもの。そして……
作中でも散々、君彦はシエスタが好き、なんていう風に一種、からかいをもって描かれるのだけど、まさにそんな感じ。そして、そのためにも、絶望の中にいる巫女を鼓舞したり何なりと……。勿論、その行動は、その相手のためであるのだけど、だからこそ、君彦がシエスタをどれだけ大事に思っているのか、という背景が見え隠れしてしまう。それは、現探偵である夏凪にとっては……。夏凪は夏凪で、君彦に救われ、シエスタの意思を継いで、という存在。けれども、君彦を意識すればするほど……という夏凪の立場の切なさ、というのが印象に残った。一方で、コウモリと修行(?)をする斎川が感じるコウモリの想い。
順調に言っているように見えて、しかし、それぞれが何か欠けていて、それを埋め合わせるように行動をしている、とも感じられる。そんな印象を抱かせたままに始まるシードとの戦い。そして……
希望はかなった。けれども、再びの「探偵はもう、死んでいる」という状況。この終わり方のインパクトは絶大。

No.5688

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