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白バイガール 幽霊ライダーを追え!

著者:佐藤青南



先の事件を通して、打ち解けた木乃実と潤。スピード違反の人気若手俳優を説教した潤が、なぜかその俳優に惚れられてしまったり、はたまた、相変わらず白バイ隊員と思われなかったり、と日々は続く。そんな中、みなとみらいで起きた殺人について、潤はあることに気付く。一方、神奈川県内では神出鬼没のライダーに白バイ隊員たちが翻弄されていて……
シリーズ第2作。
文庫の裏表紙の粗筋では、主人公はあくまでも木乃実という扱いになっているのだけど、潤視点でのパートも多く、物語全体を通しても潤が主人公っていう風に捉えていいんじゃないかな? と言う風に思える。
みなとみらいで発生した殺人事件。被害者は風俗街に事務所を構える行政書士で、その仕事も風俗関連のものが多い、という人物。そして、被害者の傍らにはガーディアン・ベルというお守りが。白バイ隊員たちはわからないが、潤には見覚えのあるものだった。一方で、県内で白バイ隊員たちを翻弄する凄腕のライダー。白バイ隊員ですら凌駕する腕前にも覚えが……。それは、かつて潤がよく言っていたバイクショップの常連であり、潤が告発したことにより、その将来を絶たれてしまった元プロレーサー・望月……
望月が、復讐のためなどで動いているとすれば、一応は説明がつかないわけではない。しかし、逃亡するのであれば管轄の違う神奈川県から出てしまえば問題がないはず。しかし、神奈川県内で定期的に暴走を繰り返す理由がわからない。そんな中、望月の娘が不可解な行動を。望月を探るため、潤につきまとう俳優の影響力を使ってSNSで情報収集をして……。物凄くびっくりするようなひっくり返し、という真相ではないのだけど、作中の様々な伏線をしっかりとまとめ上げていく辺りのうまさは流石。
その上で、物語の見どころは、潤の葛藤だろう。かつて、彼女にとってのヒーローであった望月。そんな望月が起こしたひき逃げ事件。望月の仕業ではないことを確かめたくて情報を流したことで、望月は逮捕。勿論、彼女のしたことは警察官として、いや、一般市民として当然のこと。しかし、そのことが原因で通っていたバイクショップには行けなくなり、自身のヒーローを葬り去ってしまった。ずっと抱えているそんな負い目。自分の好きな俳優とか、スポーツ選手が不祥事を起こして、っていうのはよく(?)あるけど、そのきっかけを自分が……っていうのは、トラウマになるものかも知れない、っていうのは思った。そして、そんな潤の想いを慮り、潤を何重もの意味で励ます木乃実。そういう意味で、この二人、良いコンビだな、というのも感じた。

No.5691

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