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星と脚光 新人俳優のマネジメントレポート

著者:松澤くれは



大手プロダクションから、弱小芸能事務所・天神マネジメントへ転職したまゆり。彼女がオーディションで目を付けたのは天真爛漫な新人俳優のマコト。素直だが、破天荒な行動なマコトに振り回されるまゆりだが、彼と二人三脚で人気俳優を目指すことに……
著者は、実際に演劇の世界に身を置き、脚本家・演出家などをしている人物らしい。
ストーリーとしては、すごくまっすぐな展開……なのだけど、もうちょっと分量が欲しかったかな? と。
過去、大手プロダクションのマネージャーとしてアイドルグループを担当していたが、その担当していた相手を結果として潰してしまった過去を持つまゆり。そんな過去を持つ彼女が、新人オーディションで目を付けたのがマコト。オーディションに於いて、他の面々が特徴のない行動をとる中、マコトはダンスしながら椅子を組み立てる、という謎のパフォーマンスを披露。周囲からは失笑を買うマコトだったが、まゆりだけは、彼の行動に将来性を見出す。しかし、いざ、採用してみると……
演技経験は皆無。素直に言うことを聞くが、どこを向くにもその行動は極端を突き詰める。しかし、だからこそ、とマコトと歩むことを決める。そうして、まず目指すのは人気2.5次元舞台。
この話、まずは何と言ってもマコトの存在じゃないか、と思う。行動が極端。そもそも、貯金も何もなしで上京し、路上でのパフォーマンスで金を稼ぐ。それを禁止されると、金がないから、とアパートを引き払い、天神マネジメントの社屋で生活。そして、演技経験も、さらに言えば、オーディションでのアピールの仕方すら知らない。しかし、一生懸命なのは間違いなく……
そんなマコトとの二人三脚の歩み。オーディションのために、DVDを教材に一言一句、すべて書き上げての練習。舞台オーディションでの、破天荒極まりない衣装での登場。この辺り、確かに極端だけど、でも、まっすぐで勉強熱心なのが伝わってくるので、まゆりが支えようとする気持ちには共感できる。さらに、演技経験がないからこその、稽古での苦しみ。それを打破するための演技で陥りがちなこと。この辺りは、著者が本職の人だからこそ、なのだろう。テンポの良さと、素人にはわかりづらいものをわかりやすく描いている辺りで、どんどん読み進めることが出来た。
ただ、稽古の中で、一つの壁を突破した、と思ったところでの急展開は、ちょっと唐突かな? と言う感じ。それを含めて結末を迎えるわけなのだけど、物語として、まだ第一歩を歩みだしたところで、まゆりの過去とかそういうのを一気に回収するだけに、急展開という感じが強く残ったのがもったいない気分。シリーズ化前提、ってわけじゃなかったのかも知れないけど、もう少しじっくりでも良かったかな? と感じた。

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