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はたらく魔王さま!21

著者:和ヶ原聡司



魔王城を打ち上げ、エンテ・イスラでの人間をも治めた魔王たち。残すは、天界での神討ちのみ。だが、その前に魔王にはやることがあった。魔王、勇者らが揃って正装で訪れたのは、千穂の実家、佐々木家で……
シリーズ完結編。
444頁と、これまでの中でも最も分量のある最終巻。粗筋を書くと、現在進行形で神を討つために……と言う部分が進行していくように思われるが、物語は、現在進行形の神討ち、そして、そのための準備という現在パート。そして、その神討ちが終わった後の、魔王たちがどうなっているのか、という未来パートとでも言うべきものが繰り返される形で進行していく。
どちらかと言うと、現在進行形の話よりも、未来の話の方が興味を惹かれてしまうのが何とも……
神を討ち、無事に生還した魔王たち。「まおう組」という会社を立ち上げ、日々の業務に奔走する魔王。そんな中で、マグロナルドの正社員登用に合格した元魔王軍の幹部だったり、はたまた、なぜかお遍路巡りをしている鈴乃。そんな中で、どうしても気になるのが魔王が女性陣のだれを選んだのか? という部分。なかなか明かされない中で、物語が進んでいく。
一方の現在パート。佐々木家へと皆で挨拶に行く、とか、その辺りはいかにも。さらに、漆原そっくりなウツシハラの登場。さらに、なぜか決戦を前に体調を崩す魔王。そして、「神」とは? 結構、盛り沢山な内容で進んでいく内容。その中で、様々な存在についての説明が解消され、その意味ではすべての謎などが解明されての決着と言える。
でも……神討ち、アッサリ過ぎねぇ!? っていうのはどうしても思う。魔王自身が、自分で言っちゃっているし。その辺りの肩透かし感はあったり。しっかりとまとめた、という意味では納得なのだけど、もっと派手な決着でも良かったかな? という気もする。
シリーズ全体を見て思うのは、そもそもは、RPGなどの世界の魔王が、現代社会に転移し、そこで地道なアルバイト生活をして……というギャップが魅力だった本作。しかし、シリーズを重ねるにあたって、だんだんと異世界との関係とか、そういうところが主軸になり、しかし、そのために足場固めを……ということで、カラーそのものが変わってしまったな、というのを思う。休みを取るためのシフト調整で1巻とかは、流石にやりすぎ。その辺で、途中、冗長感が出てしまったのはもったいないな、という風に思う。
良くも悪くも地に足のついたキャラクターの考え方とか、共感できる部分は多かった。ただ、それだけに、もうちょっとテンポが良ければ……
そんな印象を覚える部分も出てしまうのかな? という感じもあったりする。

No.5696

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