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賢者の棘 警視庁捜査一課十一係

著者:麻見和史



毎年、如月家に届く脅迫状。大量の十円切手が貼られたその手紙には、塔子の父・功に対する恨み言が綴られていた。そんな脅迫状についての捜査を始める塔子と鷹野だったが、そんな矢先に捜査一課から招集が掛かる。『賢者』を名乗る犯人が仕掛けたゲーム。犯人の仕掛けたゲームに勝てば被害者は無事。しかし、負ければ……。しかも、なぜか犯人は塔子をゲームに参加させるよう要求してきて……
シリーズ第13作。
前作、前々作と3年連続で年末に読んでいるこのシリーズ。今作はこれまでのシリーズでも、一つの繋がりとして描かれていた塔子の父に対する脅迫状という部分がメインになった、ということも含めてシリーズにおいて、一区切りとなる話になるのかな?
物語は、冒頭に書いたような形で始まる。塔子の父、功が関わった過去の事件に関する調査を開始。未解決事件などもあるが、その中で功は、被害者遺族に対するケアなどの活動も行っていた。しかし、そのことに対する評価はマチマチ。そんな矢先に発生したゲームのような事件。人質を置き、その場所にはあるゲームが。ゲームに正解すれば人質の命は助かるが、間違えれば……
このゲームに関する謎解きは、クイズみたいなものなので推理を巡らせて……と言う感じではないのだけど、問題は、なぜ塔子が参加させられるのか? そして、その現場には何の意味があるのか? さらに、被害者は?
1つめの事件、3つめの事件の被害者は20代の青年。一方、2つめの事件では70代の老人。行動範囲などに繋がりはなく、無作為に選ばれたようにも思われる。しかし、そうだとしても??? 作中に、思わぬ発想をする塔子。それを具体的に推理へと結び付けていく鷹野、という表現があるのだけど、今回の謎解きの部分では、まさにそのコンビの形と言うのが遺憾なく発揮されている話と言える。
そして、今回の犯人の動機。絶望の中、何かにぶつけたいという負の感情。それをぶつける相手は……。警察と言うのは、犯人を逮捕し、その罪の償いをさせるべき立場。しかし、それが叶わないときには……。逆恨み、と言えば逆恨み。けれども、そんな感情に支配されること、というのはあるかも知れない。けれども、それをしたからと言って……というのも正論。終盤、犯人と対峙し、そんな思いすら、事件解決への原動力に変えて見せる、と言い切った塔子は素直に格好良かった。
先に書いたように、過去のエピソードでも引っ張ってきた事件が決着。今後もシリーズ展開をしていくのかな?

No.5701

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