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お隣さんが殺し屋さん

著者:藤崎翔



専門学校に進学するため、田舎から上京してきた美菜。挨拶に向かった先は、隣室に住む青年・雄也の元。雄也は陰のある長身の男だが、そんな彼に美菜は好感を覚える。一方、雄也は美菜にあるものを見られて動揺する。そして、それを使った「仕事」を思い出す……
結構、強引なひっくり返しではあるなぁ……
物語は、冒頭に書いたようなところから始まる。
北海道の田舎から、映像制作の専門学校に入学した美菜。同じ学校に通うクラスメイトと、演技であるとかの勉強をし、アルバイトをしながらの日常。しかし、世間知らずで、色々とおかしな言動をとることも。そんな中、何かと助けてくれる隣人の雄也に対して好感度を持つが、クラスメイトたちは彼を怪しむ。一方、雄也は、世間から隠れるようにして暮らす日々。そんな中で、隣室に越してきた美菜に天真爛漫さに、だんだんと惹かれていく。けれども、後ろ暗い事情も持っている。そして、途中に挟まれる殺し屋の師匠と弟子の会話。「ビッグ」と言われる凄腕の殺し屋の存在についての会話……。その中で、ビッグは、ヤクザの恩人から特殊詐欺を働いた犯人。裏社会の人間の娘を性的暴行した犯人。それを見つけて、殺害する任務を与えられている、ということが語られる。そんな3つのパートで物語が綴られていく。
ここでまず思ったのが、美菜が入った専門学校の様子。映像制作と言っても、例えばカメラマンとか、音響とか、そういう技術スタッフではなく(そういう学科もあるようだ、とは示唆されているけど)、俳優、役者の養成というようなところ。指導者は、プロ、ということになっている。けれども、当然ながら一線級で活躍している人ではないが、生徒に対しては厳しく、中には八つ当たりでは? なんていう者も。また、卒業をしたから、と言ってプロとして生活できるのか? と言えばそれもまた……。わずかなチャンスにかけて枕営業のようなことも……。勿論、デフォルメはされている部分はあるんだろうけど、事実の一部は切り取っているだろうし、また、元々、お笑い芸人だった、という著者の経験とか、そういうのも加味されているじゃないかと感じた。そして、当然のことながら、その中でのやり取りが、ビッグの標的にも繋がっていって……
終盤のひっくり返しは、確かに不意を突かれた。
そして、結構、そのひっくり返しについて、丁寧に解説をしているので、「どういうこと?」っていうのもないと思う。
ただ……そのひっくり返しがそうだとすると……このパートって、半ば妄想? というような感じになる部分もあったり。それはそれで、作りこまれているのだけど、ちょっと強引だろう、と言う感じがしないでもない。それはそれで、こういう作品の味なのかもしれないけれども。

No.5719

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