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スパイに死を 県警外事課クルス機関

著者:柏木伸介



都内でロシア、中国のスパイが立て続けに殺害される事件が発生。両者の亡骸には、それぞれ「スパイに死を」というメッセージが書かれたカードが。そんな事件の影響を受け、横浜中華街で中国人の少年がロシアの貿易商を殺害する事件が発生する。そんな事件の中、神奈川県警外事課の来栖は、ロシア、中国の諜報関係者に接触し……
シリーズ第3作。
うーん……正直なところ、かなり読むのに苦戦した。
冒頭に書いたような形で始まる物語。事件を受けて、来栖は、各国の諜報関係者に当たり始める。そんな中で、警視庁の刑事、さらに来栖のことを危険視する自衛隊情報部なども動き出し、さらに国連のパネル委員も来栖に接近してくる。で、文庫裏表紙では事態の沈静化を図る、とあるんだけど、あんまり沈静化は図っていない。むしろ、挑発的な発言などをしているし。
で、何が読むのに苦労したのか、というと、来栖の行動がどこへ向かっているのかわからず、ただ色々な諜報機関に接触。何を狙っているのかわからない。一方で、もう一人の主役とも言える自衛隊情報部の志田は、心酔する上司・伊原の元でスパイを殺していく。その伊原は、伊原学校とも呼ばれるグループを結成。さらに、自衛隊の中に大きな力を持つ。それは幕僚長どころか、防衛大臣をしのぐほどに。そんな彼が目指しているものは……
来栖が目指しているものが何なのか? そして、伊原もまた、殺人をも辞さない行動の末に何を目指しているのか。イマイチよくわからないままに、ただただ、それぞれの行動が断片的に描かれるため、何をしているんだろう? と言う感じで読み進めるのがなかなか進まなかった。
そして、そんな来栖の行動により、様々な関係者が集合し、そこを狙っての戦いが始まって……
この事件が終わって、ようやくネタバラシ。挑発をしていた来栖の狙い。そして、伊原の狙いと言うのが明らかになり、その中心にあったものが明らかに。そこまでの、それぞれの立場の人間の思惑。さらに、敢えて対立軸を作り、そこに注目されているうちに別のことを……という策略。そこまでのアレコレの中で話題になっていたものが意味を持って行く様というところで、しっかりと伏線が回収されているのが見事。
その意味で、読み終われば、それぞれのパートなどでの意味がわかってスッキリはするのだけど、そこに至るまでがちょっと長く感じられたのが欠点かなぁ、と言う感じ。

No.5728

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