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帰ってきたK2 池袋署刑事課 神崎・黒木

著者:横関大



警察学校を主席で卒業した真面目な神崎と、破天荒な黒木。二人が勤める池袋署に、何者かに見張られている、という女性が相談に訪れた。とりあえず、話を聞き、その場は返した二人。直後、その相談に訪れた女性から、アパートの隣室の様子がおかしい、という連絡が入る。果たして、その隣室ではシングルマザーが殺害され、小さな子供が残されていた……
というところから、連作短編形式で綴られる物語。シリーズ第2作。
前作を読んだのが2016年なので4年半ぶりくらい。丁度、テレビドラマ化されていたし、そのタイミングでの刊行となったんだろうな。
さて、前作は、生真面目な神崎と、チャラ男の黒木が、それぞれの長所を生かす話が多かったんだけど、今作は黒木の活躍が目立つように感じる。
例えば『晩餐』。ビルの屋上で、自殺を試みている男がいる。そんな通報から駆け付けた二人。そんな男を説得するため、黒木は自らを拘束して男の話を聞いて……。この話なんかは、黒木のキャラクターが存分に生かされた話のように思う。チャラ男と言われるけど、話術に長け、勿論、人の話を聞く、というのも得意。そして、そんな黒木が時間を稼ぐ中、男が自殺しようとする現況を神崎に解決させて……。作中の時間で言うと、わずか数時間レベルしかないし、その時間でそれだけできれば苦労しないよ、とは思うんだけど、その痛快さが楽しい。また、『変身』では、職業としてコスプレイヤーをしている女性とも親しく、その問題を解決したり、はたまた、『誤解』では、上司の婚活のアドバイスをした上で、彼を天敵のように嫌う同期のためにも……なんていうのが明かされる。
なんか、今回の物語、黒木の人脈とか、型破りな行動力とか、そういうのがクローズアップされているように思う。逆に、神崎の方は、良くも悪くもオーソドックスな形での捜査手法をとるため、今回はあまり目立たない……というか、黒木の補佐みたいな印象が強いように感じられる。神崎がいるからこそ活躍できるっていうのは間違いないにしろ。
で、物語の冒頭から提示されていた、シングルマザーの殺害事件。主人公二人は、当初捜査から外されるのだが、捜査に進展がないところから、捜査に招集されていって……
表札には名前があるものの、姿の見えない被害者の同居人。その人物は何者なのか? さらに、残された子供の父親は? その辺りに焦点を当てつつ……となるのだけど、物語を引っ張った割には、ちょっと小粒に終わってしまったように思う。それぞれの謎が解けたのだけど、ポッと出な上に、犯人は実は、って……。人情もの的な結末とか、読後感は良いのだけど、本一冊の中心となる事件としてはちょっと弱かったのがもったいない。

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