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読心刑事・神尾瑠美

著者:藤崎翔



20代の若さにして、R県警捜査一課三係に配属された根津優吾。早速発生した事件に意気揚々と臨む優吾だったが、どうにも同僚の空気がユルい。そこで知ることになったのは、R県警の凶悪犯罪検挙率が高い理由。それは、人の心を読むことが出来る超能力「テレパス」を使うことが出来る女性刑事・神尾瑠美がいるためで……
という連作短編集。全5編を収録。
超能力で、一瞬にして犯人が分かる。けれども、それだけでは逮捕できないし、仮にしても、公判が維持できない。だからこそ、証拠を固めねばならない。こういう作品は、それなりに読んできたけど……本作の場合、ミステリ小説と言って良いのかな? というのがまず思ったこと。つまらない、とか、そういう意味ではなくて。
というのは、犯人をどう引っ掛けるのか、というところに焦点が当たっているのだけど殆どごまかしようなやりとりとか、そういうのが多くなるため。例えば、鳩時計を使ったトリックが用いられた事件では、瑠美の能力で犯人も、そのトリックも判明。けれども、証拠と言えるものがほぼない。それを自白にするために……。アドリブとしても、そのトリックは警察学校で最初に習うようなものです! なんていう無茶苦茶な嘘でガッカリさせる、という凄まじいもの。あり得ない! と思いつつも、それを読んで大笑いしてしまった。
そんな物語の中心にいる瑠美。他人の心を読むことが出来る。しかし、それは自分でオン・オフできない。そのための苦労とか、そういうのはあるんだけど、あくまでもギャグに持って行くため、どちらかと言うとコメディという印象が強い。例えば、普通の男性は、瑠美に対して下心とかを持ってしまうから集めれたのは……ゲイと、デブ専て……
そんな中で、一番、やりとりとして面白かったのは2編目後半の事件。妻を崖から転落させて殺した小説家。当然、瑠美の能力でトリックなどは判明しているのだが、現場は犯人が普段から散歩している場所のため、足跡は証拠にならない。また、山中のため目撃者もいない。そんな中で取られたのは。犯人視点での物語があるんだけど、殺すことにした動機。しかし……。その追い詰め方が結構、えげつなくて正直、同情した。
先に書いたように、ミステリとしての評価はちょっと微妙。ただ、瑠美を始めとした三係の面々のゆる~いやりとり。その中での優吾と瑠美の関係性。ギャグ強めのキャラクター小説として楽しかった。

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