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BACK 猟奇犯罪捜査班 藤堂比奈子

著者:内藤了



12月25日、クリスマス。都心の病院で大量殺人が発生との一報が入る。死傷者多数で、病院は停電。現場に踏み込んだ比奈子は、その凄惨な現場に息を呑む。そして、その襲われた病棟は、特殊な受刑者を収容するための場所だった。相応のセキュリティがある場所で何故? そんな中、関連が疑われるネット情報に「スイッチを押すもの」の記述が……
シリーズ第7作。
『ZERO』『ONE』と同様に、前編・後編の構成なのかな?
冒頭の粗筋に「スイッチを押すもの」なる存在を示唆したわけだけど、つまり、ネット上で凶悪犯罪者は殺してしまうべき、という存在がいることが判明。その存在が、今回の襲撃事件に関わっている? しかし、そうはいっても、その病院に犯罪者が収容されている、という情報はどこから? 捜査をする中で、その病院関係者に行方不明の者がいることが判明。そして、その関係者と思しき遺体が発見されて……
犯罪者を殺害すべきだ、と言っていた存在。その存在を巡っての捜査などが進む中で、現れた犯人と思しき存在。その犯人を追い詰めていくが……しかし、何とも中途半端な形でその事件は幕引きを追えてしまう。何者かが裏にいるようだ。そういうことは予感しつつも、しかし、表向きには解決として終わってしまう事件。その中途半端さが、物凄く嫌な印象だけを残す。まさか、これで終わり、ということはないだろうし。そこから、どういう風に次のステップへ、というのが気になるところ。
というところが、物語の中心となる事件に関するアレコレなわけだけど、それとは別に比奈子自身について、過去の事件の傷、というのを感じる部分が出てくる。
前作で連続殺人を犯し、比奈子を監禁した少年・永久。そんな永久もまた、中島らと同じ施設に。居場所を失った少年に与えられた居場所。しかし、そんな中だからこそ見え隠れする永久の歪み。そんな彼女に比奈子が感じる悲しみと、同時に、自らが感じた恐怖感に苛まれる。そのやるせなさ。当初は、本当に猟奇犯罪があり、それを解決する、というだけだった物語がシリーズを重ねる中で比奈子自身が傷ついて、とか、そういう形で関わり方などの変化が生じ始めている、というのを示しているのかな? と言う風に思える描写。現在は、かなり比奈子が辛い状況になっているわけだけど、その状況をどう乗り越えるのか? そして、比奈子がどうなっていくのか? というのが気になるところになってきた。

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