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プロペラオペラ3

著者:犬村小六



極東の島国・日ノ雄。その中で、連戦連勝で国民の人気を集める第八空雷艦司令官のイザヤと、その切れ者参謀のクロト。そんなイザヤらを慕う内親王・リオに転機が訪れる。飛行戦艦「村雨」艦長への就任。しばしの別れが訪れるイザヤとリオ。だが、そんな中、ガメリアとの新たな戦いが迫り……
いつもの巻以上に前後半のカラーの違いが凄まじいな!
物語の前提でもあるんだけど、そもそもの物資料などに大きな差がある日ノ雄とガメリア。真正面からぶつかれば、あっという間に日ノ雄は潰されてしまう。そんな状況を何とか回避できていたのは、クロノの作戦と、それを実行してきたイザヤたちの活躍があってこそのもの。そんな中での、ガメリアの新たな司令官の出撃……
という背景はあるんだけど、今回、リオが村雨の艦長に就任……という辞令から始まって、なぜかその後にクロノがやっているのは風呂の盗撮だったり、いつも通りのライブ(?)だったり。表紙イラストがそうなんだけど、イザヤが身体の線がはっきりと出るような衣装を渡され、「なんだこりゃ!?」とか言いながらも、なぜか途中からノリノリでそれを披露したくなったり……いつも通り、いや、いつも以上に緊張感がない、というか、しょーもない日々の描写。その中で、クロノがイザヤの裸体を他者に見せたくないと思ったり、とかクロノの心境の変化は描かれているのだけど。
ただ、それだけに後半の展開のシビアさ、というのが痛烈に残る。
再び始まるガメリアとの艦隊戦。今回のガメリアの指揮官・シアースミスは、見方をして「つまらない戦い方」をする人間。とにかく常道を行く。常に敵に対する警戒を怠らず、相手の戦法を研究し尽くす。そして、ガメリアの最大の武器である物量を武器に押しつぶす、という戦術。それは、これまでの指揮官のように驕り高ぶったものではなく、ただただ、その力を全力でぶつけに行くというもの。そんな敵を相手に戦いをせねばならない。
そこでクロノが取った作戦は、リオが艦長をする村雨を囮にした奇襲作戦。それでも、シアースミスはしっかりと対策を立てていて……。計算違いの部分もある。しかし、十分な対策を取ってぶつかってくるシアースミス。逆に作戦を成功させるためにも、決死の囮役を買って出るリオ。自分たちが、少しでも時間を稼ぐことが、イザヤ、クロノの作戦成功へとつながる、そう信じて……。そして、リオを救うためにも、作戦を成功に導かねばならないイザヤたち。それぞれの矜持、立場、想い……そういうものがぶつかり合う戦いは壮絶そのもの……
戦争を題材にしている、ということで、こういう結末も当然にあること。それはわかっているけれども、という部分はある。その中で、前半、とことんふざけながらも、その中に責任感というのは見え隠れ。それが、ただアイドルとして、だけでない、部下が慕う所以なのだろう。だからこその最期が悲しい。

No.5754

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