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奇譚蒐集家 小泉八雲 白衣の女

著者:久賀理世



寄宿学校の休暇。パトリックの故郷であるアイルランドを訪れたオーランドは、そこで、「死を呼ぶ妖精」バンシーが現れるという館を訪れる。そこに住む人々に隠された秘密。そして、バンシーの正体とは?
シリーズ第3作。
……なのだけど、これまでの講談社タイガから、講談社文庫へとレーベルが異動した本作。何があったのだろう?
ともかく、アイルランドで、バンシーが現れる、という館を訪れた二人。その館に住む人々は、昔なじみの関りがあった者たちが結婚をし、一族を築いていた。しかし、クリミア戦争で男たちは死亡し、何とか生き延びた主人はまるで人が変わってしまったかのように……。そんな中で、館にはバンシーが現れる。
館の主人一家。それだけでなく、使用人たちも何かを隠している、という雰囲気に覆われた物語。
妖精などいない! という者もいれば、反対に……という者もいる。そして、実際に何か人為的な行動の痕跡も。その中で、バンシーは、死を呼ぶ、と言われると同時に、その相応しい者に対してのみ、とも言われる。そんなバンシーが選ぶのは誰なのか? その状況で、それぞれの言動が意味するものは何か?
これまでの、講談社タイガの作品では、完全なファンタジーの世界に入り込む話なども多かったのだけど、この巻では、そういう可能性もある、ということを示唆しつつどちらに転ぶのか? という形で物語が展開。それぞれの思惑。アイルランドの大飢饉、さらに、クリミア戦争と言うイギリスの歴史にとっても重大な、甚大な禍根を残すこととなった戦争。その戦争の傷痕、というのを背景にして、そこへバンシーというファンタジーな要素が絡みあっていく。そして、騒動の結末もまた、そういう時代だからこそ、と言うのを感じる。時代背景をしっかりと活かした物語と言えると思う。
そういう意味で、確かにカラーが変わっている、と言うのは言える。だからこその、レーベル異動なのかな? というのも感じられた。
でも、シリーズの途中でレーベルが変わると追いかける方としては大変なんだよな……

No.5770

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