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その商人の弟子、剣につき

著者:蒼樹純



「吾輩は魔王の剣、ティフィンだ」 若き商人・エドモンドは、人外の剣に出会い、それを助けてしまう。魔王の復活を阻止するため、封印をしてほしい、というティフィンの頼みを聞き入れ、女性の姿となった剣と共に北へ向かうことに。途中で出会う凄腕の傭兵ハクア、そして、勇者とその剣の邂逅の末に……
第12回GA文庫大賞・銀賞受賞作。
商人(行商人)と、人外の存在が、商売をしながら目的地を目指す物語。……というと、某作品を思い浮かべるのだけど、ちょっとカラーは異なるかな。
商人であるエドモンドが、その知識とか、そういうものを駆使して、と言う部分は確かにあるのだけど、商人として金儲けを狙って……というのとはちょっと違うかな? と。ハッキリ言えば、自らの金儲け、というのはとりあえず二の次、という印象なので。
魔王の剣であるティフィン。自らが目覚めた、ということは間もなく魔王が復活する、ということ。そして、同時に勇者とその剣も現れることとなる。その災厄を防ぐためには、彼女自身を封印すること。そのためには、封印の地へ行き、眠りにつくこと。そんな目的にために北へ向かう二人。そんな中、凄腕の傭兵・ハクアを雇い、さらに勇者ガーザス、その剣デカルダと出会う。そして、その前に現れる国同士の戦争の前兆……
正直なところ、途中までは商人と言いつつ、それほど、駆け引きとか、そういうものがない。傭兵ハクアを雇う、という部分も、交渉じゃなくて……だし。
しかし、勇者と魔王の関係性。そして、国際関係というものがクローズアップされて、その中で勇者ガーザスが目指していることの正体。そんな中で、魔王の復活を阻止すること。戦争を阻止すること。勿論、ティフィンを守ること。そんな信念を持ってのエドモンドの逆転の秘策へ、と言う部分で一気に盛り上がった。
エドモンドの視点で言えば、確かに勇者のしようとしたことはとんでもないこと。けれども、ガーザスの立場として、大国に蹂躙されている弱小国、という立場からしたら、一気に形勢逆転をして……というチャンスとも言える。一国を預かる者、と言う意味では100%否定することは出来ないんだよな。その辺りの国際情勢の話と、武力ではない形でそれを挫こうとする策略は? というのは素直に面白かった。
最初に書いたように、エドモンドがちょっと商人っぽくない(商人っぽいって何だ、と聞かれると苦しいけど)、ところは気になったのだけど、読み終わっての満足感はなかなか。

No.5771

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