著者:大森藤ノ

「ベルさんへ。今度の女神祭、デートしてください」 豊穣の女主人の従業員シルから、ベルの元へ届けられた一通の手紙。なし崩し的に、デートをすることになったベルとシル。だが、大きな嵐を巻き起こす。ヘスティアファミリア、豊穣の女主人は勿論のこと、フレイアファミリア、さらに、剣姫アイズまでもが巻き込まれて行って……
お、おう……
これまでの、かなりシリアスなダンジョン探索、そこでの死闘という感じの物語から大きく印象が異なる物語。まぁ、最終的には、いろいろとシリアスな展開へとつながっていきそうではあるのだけど、この巻だけを取り出すといつになくライトな印象。
そもそもが、フレイアファミリアの人間によって届けられた手紙。その時点で怪しいところはあったのだけど、そこで綴られていたのは、文字通りのラブレター。それだけでも一大事なのに、さらに、シルとのデートに備えるため、フレイアファミリアの頭脳ともいわれるヘディンに徹底的に作法などを叩き込まれることに。そして、その女神祭当日……
そんなヘディンの教育もあり、ベルとシルは仲睦まじい形でのデートに。だが、当然のようにヘ周囲はそんな二人の姿を追うことに。さらに、フレイアファミリアの面々も、そんな二人の姿を見守ることに。文字通りの厳戒態勢を持って……。さらに、豊穣の女主人の面々も野次馬根性で追って……なぜか、ヘスティアファミリアの面々が豊穣の女主人でコキ使われるというヘンテコなことに。しかし、そんな中で、シルにはある覚悟があり、そして、ベルの前から姿を消してしまう……
あとがきで著者が一言、「ラスボスがアップを開始しました」というのがあるんだけど、ここまで、どちらかというとベルに試練を与えていたフレイアが行動を開始する、という序章といえる話。
これまで、物語の中で、ちょっとだけ登場し、ある意味でベルに癒しを与える存在であった「普通の少女」だったシル。けれども、そんなシルが、いや、豊穣の女主人という酒場そのものが何らかの意味を持った存在であること。さらに、シルについても不可解な部分が。豊穣の女主人で働く人々。例えば、リューとかは、レベル4で、何度もベルを手助けしてきたわけだし、その他の面々についても強い、というのは知っていた。その中で、シルは、普通の少女、と思っていたのだけど、まさか、ここにきて、一気にカラーが変わってくるとは……。これまで(勝手に)思っていた設定が一気にひっくり返るような印象。さらに、そのフレイアファミリアという存在もまた、一枚岩とは言い難く、また、そこで忠誠を誓う者たちの在り方、というのも……。オッタルをはじめとしたフレイアファミリアの強者たちの姿は、ファミリアクロニクルのエピソードで多少、描かれていたのだけど、そこを鑑みると、かなり独特なものなのだな、というのを感じざる得ない。
今回は、かなり軽めのエピソード……と見せかけておいて、終盤はかなりシリアスな方向へと物語が転がり始める。新たなエピソードの、そして、物語の根幹などにも通じていきそうなエピソードの序章、という印象の強い巻だった。
No.5774

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この記事は、「新・たこの感想文」に掲載するために作成したものです。
他のブログなどに、全文を転載することは許可しておりません。
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お、おう……
これまでの、かなりシリアスなダンジョン探索、そこでの死闘という感じの物語から大きく印象が異なる物語。まぁ、最終的には、いろいろとシリアスな展開へとつながっていきそうではあるのだけど、この巻だけを取り出すといつになくライトな印象。
そもそもが、フレイアファミリアの人間によって届けられた手紙。その時点で怪しいところはあったのだけど、そこで綴られていたのは、文字通りのラブレター。それだけでも一大事なのに、さらに、シルとのデートに備えるため、フレイアファミリアの頭脳ともいわれるヘディンに徹底的に作法などを叩き込まれることに。そして、その女神祭当日……
そんなヘディンの教育もあり、ベルとシルは仲睦まじい形でのデートに。だが、当然のようにヘ周囲はそんな二人の姿を追うことに。さらに、フレイアファミリアの面々も、そんな二人の姿を見守ることに。文字通りの厳戒態勢を持って……。さらに、豊穣の女主人の面々も野次馬根性で追って……なぜか、ヘスティアファミリアの面々が豊穣の女主人でコキ使われるというヘンテコなことに。しかし、そんな中で、シルにはある覚悟があり、そして、ベルの前から姿を消してしまう……
あとがきで著者が一言、「ラスボスがアップを開始しました」というのがあるんだけど、ここまで、どちらかというとベルに試練を与えていたフレイアが行動を開始する、という序章といえる話。
これまで、物語の中で、ちょっとだけ登場し、ある意味でベルに癒しを与える存在であった「普通の少女」だったシル。けれども、そんなシルが、いや、豊穣の女主人という酒場そのものが何らかの意味を持った存在であること。さらに、シルについても不可解な部分が。豊穣の女主人で働く人々。例えば、リューとかは、レベル4で、何度もベルを手助けしてきたわけだし、その他の面々についても強い、というのは知っていた。その中で、シルは、普通の少女、と思っていたのだけど、まさか、ここにきて、一気にカラーが変わってくるとは……。これまで(勝手に)思っていた設定が一気にひっくり返るような印象。さらに、そのフレイアファミリアという存在もまた、一枚岩とは言い難く、また、そこで忠誠を誓う者たちの在り方、というのも……。オッタルをはじめとしたフレイアファミリアの強者たちの姿は、ファミリアクロニクルのエピソードで多少、描かれていたのだけど、そこを鑑みると、かなり独特なものなのだな、というのを感じざる得ない。
今回は、かなり軽めのエピソード……と見せかけておいて、終盤はかなりシリアスな方向へと物語が転がり始める。新たなエピソードの、そして、物語の根幹などにも通じていきそうなエピソードの序章、という印象の強い巻だった。
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