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董白伝~魔王令嬢から始める三国志~3

著者:伊崎喬助



長安に遷都し、相国としての政務に乗り出す董白。だが、そこには圧倒的に足りないものが……。それは、金。遷都、治安対策などに必要な予算は膨大。その費用を賄うため、涼州、西域との貿易を考える董白だったが、肝心の使者がやってこない。そんな折、長安に、後に曹操の軍師として活躍することになる荀攸がいることを知り……
前巻で、三国時代を舞台にしたシミュレーションゲームみたいな部分が出てきた、という感想を書いたのだけど、それでも前巻は、董卓が死に、しかし、一族の中での権力闘争とか、そういう部分を中心とした話で、陣営内での話(そうは言いつつ、馬超とか、趙雲とかが配下にいるわけだけど) 3巻になって、それがさらに進んだような印象がする。
つまり、三国志のゲームをやっていて、自分が劉備の陣営でやっているとしたら、劉備だけど配下に曹操陣営の名将を置いている。でも、曹操陣営もなぜか孫権陣営の文章を配下にしている……というような感じかな?(例えがわかりづらい気がするが……)
ともかく、財政の厳しい長安。そんな長安の財政を賄うための希望は、西域との貿易。だが、そのカギとなる涼州の馬騰からの使者がやってこない。そして、ようやくやってきたものの、盗賊に襲われていたという。それでも、国交を結び、新たな貿易品を作ることにするのだが、そのためには塩が必要。そんなとき、塩を持つ、益州の劉焉の使者がやってくるのだが、これまた盗賊に荷を奪われたと言い……
勿論、盗賊との戦い、というのも重要(何しろ、その頭目が甘寧と来るし)ではあるんだけど、その貿易の使者を巡ってのやりとりが面白い。特に、益州・劉焉の使者としてやってきたのが、張魯。後に、劉焉・劉璋を裏切るわけだけど、使者として金品を持ってきたが奪われた。そして、その補償を約束した董白……という途端に態度が一変。そんなに大量の金品を持っていないのは明らかだが、奪われて、補償をするのだから……という強気な態度。逆に、嘘だ、と分かっていても、自らの言葉で追い詰められていく董白。このあたりのやりとり、まさに外交政策と言う感じで興味深い。そして、先にも書いたように、その盗賊を指揮しているのが甘寧。三国志の中でも著名な豪傑というだけあって、武勇は流石。しかも、何か狂っている、という。このあたりのキャラ付けもいい。
そして、そんな盗賊、貿易などに関する事件の裏側。董白を排除したい。皇帝を手のうちに入れたい。だが、長安の地の治安などについては……。そんな敵の存在。それは……。最初にゲームなどの話をしたけど、考えてみると、ゲームのグラフィックとか、そういうので、「ああ、この人は〇〇」という認識はしている。勿論、その中には、「〇〇はこういう外見で」みたいな資料に基づくものもあるわけだけど、それだってイメージでしかない。それを考えると、こういうトリックもアリなんだよな、というのを思う。
その中で、董白に取り付いた主人公の人格と、本来の人格での対立(?)が現れ始めたり、とか、三国志世界での話とはまた違った部分も強調され始めてきて、どう転がっていくのか気になるところ。しかも、ラストシーン、董白が大ピンチだしね。

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Tag:感想 小説 伊崎喬助 董白伝 ガガガ文庫

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