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君が笑うまで死ぬのをやめない 真城町デッドデッド

著者:佐藤悪糖



大学進学を機に一人暮らしを始めた灰原雅人。しかし、そのアパートには悪霊が……。部屋に入ると霊に刺され、その直前にまで時間が巻き戻る。しかし、男たるもの、寛容さが大事だ! かくして、雅人は、その霊との同居を決意。そして、彼女の事情を解決することにして……
なんか、こうやって書くと真面目な話っぽいな……
タイムリープもので、雅人が死ぬと、その直前まで巻き戻される。そして、雅人、その死を目の当たりにした人は、その記憶を残したまま巻き戻される。そんな設定で物語は語られる。で、そんなタイムリープを利用して……と行くんだけど……
雅人、かなり馬鹿だ!
物語冒頭は、粗筋に書いたように、一人暮らしをするアパートに入ると、悪霊に刺されて殺される。それを繰り返すのだけど……最初の数回は真面目にやっているんだけど、だんだんと悪ノリに進んでいく。もうだって、悪霊に出会った瞬間に「問題、今は何回目でしょう!」とかやり始めるし。そして、悪霊が間違って笑ったことで、悪霊が起こって刺殺……とか、最早ねぇ……
さらに、その部屋のことを大家に聞こうとして失敗すると、わざと大家の前で死んで、大家の記憶に残ったままで巻き戻しをする、という嫌がらせ。策士っちゃあ策士なんだけど、やることが色々とおかしい。
そんな雅人のパートと、それとは反対に何かあるたびに死に襲われる少女。幸福の量は一定、という言葉の中で繰り返す死を回避しようとする存在。しかし、それ自体がだんだんと自分の苦しさを増す装置になっていってしまう。それが、この話のもう一つの背景とも言える。それを雅人らが……となっていくわけだけど……
本当、清々しいほどに雅人は馬鹿。ただ、その馬鹿だからこその行動力と、まっすぐさ、っていうのが救いでもある。これ、深刻に物語を進めることも出来るだろうけど、そうなったら逆に病んでしまいそうだしね。馬鹿だからこその物語と言えるのだろう。
で、調べてみたら、本作、どうやら著者の別作品の前日譚的な意味もあったらしい。いきなり本作を手に取ったのは、ちょっと勿体なかったことなのかな?

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Tag:小説感想 佐藤悪糖 君が笑うまで死ぬのをやめない

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