著者:紙木織々

大学を卒業し、ソーシャルゲーム業界に飛び込んだ晴朝。サービス終了の危機を何とか乗り越えた『タクティクスソウル』。だが、一度は回復した売り上げは再び下がり始める。そんな中、晴朝は、ゲームプランナーとして、新たなイベントを担当することとなって……
『それでも、あなたは回すのか』の続編。
まず最初に言う。タイトルにある残業後の朝焼けで、みたいなシーンはないぞ!
という、どうでもよいツッコミを入れたところで、本編。第1章が、冒頭で書いた話。イベントを担当することとなった晴朝。だが、そもそも、何をすればよいのか、ということからわからない。そんな中で、データ、プレイヤーからの声を参考にするのだが……。「数字の向こうにあるもの」。確かに、数字は大事。しかし、そもそも、ゲームをプレイする人の中で、運営に意見をいう人はどのくらいいるのか? 多くの人は、つまらないと思えば、文句などは言わず、アンインストールするだけ。それを重視してしまえば……。自分はソシャゲはほとんどしていないのだけど、例えば、シューティングゲームとか、格闘ゲームとかのジャンルでこういうことを言われていたな、というのを思い出す。もっと言うなら、自分がやっているブログだって、多分、本を読んだ人の中で、ある程度の分量で感想を書く、なんていう人は少ないはず。そういう意味では、「何かを表明する人」というのが少数なんだろうな、というのを思う。
そんな中で、『タクティクスソウル』の売り上げはますます下がり続ける。そのような状況の中、大手メーカーであり、リーダーである篠森がかつて作っていたゲーム『ロード』を引き継いでいるウロボロスとの提携話が持ち上がる。だが、ウロボロスの古海は、『タクティクスソウル』の終了。そして、篠森を『ロード』新作に、と言い出す。
人気を博した『ロード』の開発に携わった篠森と古海。それぞれ、想いを抱えて取り組んだ2作目。しかし、情熱はあったものの、プレッシャーに負けた篠森。その迷走。古海もまた、作品を作ろうと思っていたが、しかし、その考えは食い違っていった。そして、その間に挟まれた者は……
晴朝が初めてかかわったゲームの終了。しかし、それで終わってしまうのは悔しい。何とかしたい。そんな中で突き付けられた最後通牒。だが、あがきはますます迷走へ繋がってしまう。そんな中で、晴朝が何をしたいのか? それを突き詰めていって……
表紙的にはヒロイン的な存在である青塚さん。ただただ、ブレない自信満々の態度。一方で、チームを離れた安村らのアドバイス。何よりも何がしたいのかわからなかった晴朝の、それでも何かをしなければ、という思い。それらが上手く交わりあい、だんだんと晴朝が自分のしたいこと、すべきことを理解していく様が熱かった。前作で、消化不良だった部分をしっかりと回収したのではないだろうか。
もっとこの後も読んでみたい気はする。でも、物語として、ここでまとめる、というのもまた、良いのではないか、と言う気もする。
No.5809

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この記事は、「新・たこの感想文」に掲載するために作成したものです。
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『それでも、あなたは回すのか』の続編。
まず最初に言う。タイトルにある残業後の朝焼けで、みたいなシーンはないぞ!
という、どうでもよいツッコミを入れたところで、本編。第1章が、冒頭で書いた話。イベントを担当することとなった晴朝。だが、そもそも、何をすればよいのか、ということからわからない。そんな中で、データ、プレイヤーからの声を参考にするのだが……。「数字の向こうにあるもの」。確かに、数字は大事。しかし、そもそも、ゲームをプレイする人の中で、運営に意見をいう人はどのくらいいるのか? 多くの人は、つまらないと思えば、文句などは言わず、アンインストールするだけ。それを重視してしまえば……。自分はソシャゲはほとんどしていないのだけど、例えば、シューティングゲームとか、格闘ゲームとかのジャンルでこういうことを言われていたな、というのを思い出す。もっと言うなら、自分がやっているブログだって、多分、本を読んだ人の中で、ある程度の分量で感想を書く、なんていう人は少ないはず。そういう意味では、「何かを表明する人」というのが少数なんだろうな、というのを思う。
そんな中で、『タクティクスソウル』の売り上げはますます下がり続ける。そのような状況の中、大手メーカーであり、リーダーである篠森がかつて作っていたゲーム『ロード』を引き継いでいるウロボロスとの提携話が持ち上がる。だが、ウロボロスの古海は、『タクティクスソウル』の終了。そして、篠森を『ロード』新作に、と言い出す。
人気を博した『ロード』の開発に携わった篠森と古海。それぞれ、想いを抱えて取り組んだ2作目。しかし、情熱はあったものの、プレッシャーに負けた篠森。その迷走。古海もまた、作品を作ろうと思っていたが、しかし、その考えは食い違っていった。そして、その間に挟まれた者は……
晴朝が初めてかかわったゲームの終了。しかし、それで終わってしまうのは悔しい。何とかしたい。そんな中で突き付けられた最後通牒。だが、あがきはますます迷走へ繋がってしまう。そんな中で、晴朝が何をしたいのか? それを突き詰めていって……
表紙的にはヒロイン的な存在である青塚さん。ただただ、ブレない自信満々の態度。一方で、チームを離れた安村らのアドバイス。何よりも何がしたいのかわからなかった晴朝の、それでも何かをしなければ、という思い。それらが上手く交わりあい、だんだんと晴朝が自分のしたいこと、すべきことを理解していく様が熱かった。前作で、消化不良だった部分をしっかりと回収したのではないだろうか。
もっとこの後も読んでみたい気はする。でも、物語として、ここでまとめる、というのもまた、良いのではないか、と言う気もする。
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