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泥酔彼女 「弟クンだいしゅきー」「帰れ」

著者:串木野たんぼ



クリスマスに近所の年上美人と二人で過ごすことになった。男子にとって夢のようなシチュエーション! ……ただし、相手が泥酔一歩手前でさえなければ……。出会い頭に、勝ったばかりの服にリバースしてくれた美女・和泉七瀬。それだけの関わりと思いきや、毎日のようにやって来るわ、やたら酒好きやら、隙あらば弄り倒してくるし……と、とにかく面倒くさくて……
とりあえず、一言、酔っ払いって、面倒くさいですね!
……自戒を込めて……
物語は基本的に、主人公である穂積のところへ、ヒロインたる七瀬がやってくる。そして、七瀬はそこで酒を飲み、やたらと近い距離間で色々としてくる。普通であれば、そんな美人が、ゼロ距離くらいで色々とやってくれば……という感じなのだけど、姉も酒癖が悪く、そこで困ったことが多い。それは、七瀬も同様。さらに、穂積は、過去、そういう近しい距離でやりとりをして周囲を勘違いさせる、サークルクラッシャー的な存在とのやりとりがあって……というトラウマも持っている。なので、基本的に思うは面倒くさい、という感情が先に立つ、と言う感じになる。
この話で上手いと思ったのは、情報の出し方。
元々、穂積が七瀬と知り合ったのは、ある意味、絶対服従をせざるを得ない姉の影響。そして、毎日のようにやってくるのが許されるのも同様。しかし、その姉が何者なのか、というのはよくわからない。ただ、穂積は幼馴染の羊子から演劇部に入るように言われていて、穂積自身も(ひっそりと)脚本を書いている。それが当初に明かされた情報。
そして、その状態から、実は姉が敏腕マネージャーと言われていて、七瀬自身も芸能界の人間である、と言うことが明らかになっていく。ただし、売れていない、というか、顔出しでの仕事すらまともにない状態……。そういう情報が、だんだんと出されていくからこそ、七瀬は何者なのか? なんていう形で興味を引き付けてくれる。そして、面倒くさい、という思いは抱きつつもやっぱり、七瀬に惹かれていって……
そこまでのアレコレで、という形での問題解決は、なるほど! とは思う。
思うのだけど……、それ、色々とヤバくない? という感じはする。この場では、ということにはなるのだけど、作中で言われているように色々とヤバいしなぁ……。何よりも……
肝臓をお大事に!
最後の最後で、ちょっとひっくり返し的なオチがあるけど、ここからどうなるのか、気になるところではある。

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Tag:小説感想GA文庫串木野たんぼ

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