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クメールの瞳

著者:斉藤詠一



「授けたいものがある」 奇妙な電話を受けて数日、学生時代の恩師・樫野教授が不審な死を遂げた。兼業カメラマンの平山北斗は、友人の栗原、教授の娘・夕子と共に遺品整理に取り掛かる。そして、遺品の中から謎の数字が書かれたメッセージと、150年前のフランス人探検家が所持していた骸骨の人形を発見する。これらは一体、何を意味するのか? 教授の残したものを探す北斗たちだったが、周囲に怪しげな動きが現れて……
物語は、恩師の残したものを北斗たちが探す現代パート。そして、150年前、カンボジアで発見されたペンダントが日本へ、そして、そのペンダントを持った存在がどうなっていくのか、を描いた過去パートの2つで展開していく。
不可解な状況で死亡した教授。その教授が北斗に託す、としたものは何なのか? その手掛かりを手に入れた、と思ったところで、北斗の部屋に何者かが侵入。さらに、北斗の周辺を探る存在が……。思い出すのは、教授の通夜で出会ったその友人だという自衛隊員。数年前に喧嘩別れした、というその男が追跡者なのか? 教授の過去の行動を辿る中、その男と、さらにナカムラなる人物と共に福島県のある寺を訪れていたことを知る。そこに一体が? そこで一体何が?
そんな現代パートのわきで描かれる、過去の物語。幕末の日本。軍事顧問として来日し、幕府軍と運命を共にした外国人の存在。現代パートの、何が狙われているのか? と言う謎と、過去パートの動乱の時代の物語という中盤までの物語は素直に面白かった。
ただ、その過去パートで、渦中のペンダントがどういうものなのか、というのが明らかになっており、その上で……となるのでちょっと失速気味かな? しかも、その北斗たちを突け狙っていた存在の目的がちょっとオカルト的になってしまうのがちょっと引っ掛かった部分かな? と。確かに、本当ならば凄いものではあるのだけど、そこまで力を入れて探すようなモノなのか? とか考えてしまうと……。
まぁ、この部分については好みの問題もあるんだろうけど……。

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Tag:小説感想斉藤詠一

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