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掟上今日子の鑑札票

著者:西尾維新



またもや殺人未遂事件の容疑者にされてしまった隠舘厄介。いつも通り、忘却探偵・掟上今日子に事件解決を依頼するも、その最中に彼女は狙撃されてしまう。一命はとりとめたものの、彼女の武器である最速の推理力は喪失。犯人を追う厄介の前に現れたのは、彼女の過去を知る、という男で……
シリーズ第13作。
……えっと……本当に24作まで予定しているんですか?
それはともかくとして、今作は、これまでのシリーズとはガラッとカラーの違う作品になったな、というのがまず最初に来る。粗筋で書いた通り、物語の序盤で、今日子は狙撃をされて、推理力(?)を喪ってしまう。推理力(?)と書いたのは、推理というか、ミステリー小説の用語とか、そういうものを認識できなくなった、と言う方が正しいかな? そして、その狙撃犯を探す厄介の前に、今日子の過去を知る、という存在が現れて……
これまでのシリーズは、ミステリーとしての完成度はともかくとして、事件が起こり、それを今日子が解明する、という形の物語。その中で、これまで、今日子の寝室に「お前は探偵である」というような文言が書かれていて、記憶を喪ってなお、自らを探偵と自覚しているのだ、というようなことが説明されていた。でも、それ以前のことについては謎のまま。そんなところに、今回はスポットが当たる話。
今回の話、ここに書かれていることが本当だとすれば、別シリーズの「あの人」っぽいんだよな。戦場にいた……というか、戦場に赴き、そして、そこで戦争そのものを「解決」してしまう存在として暗躍していた……。メガネっていうところとかを考えても、やっぱり、あの人っぽいんだよな……。白髪っていう点でも思うところはあるし。その辺りについて、色々と思わせてくれる話ではあった。
ただ、結局、その辺りについては、あくまでも「こうじゃないか?」と予想することは出来るが、しかし、それで確定か、と言えばそうではなく。そして、物語の終盤は別の方向に。色々と思いを巡らせることを楽しめたのは確かだけど、何か最後に梯子を外された感もあったりする。

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Tag:小説感想西尾維新

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