著者:しめさば

中学時代に付き合っていた恋人・水野藍衣。自由な彼女のことが好きで、しかし、その自由さに苦しんだ。そんな過去を持つ浅田結弦の前に、再び彼女が現れる。「結弦、好きだよ」 以前と変わらない、むき出しの好意を携えて……
丁度、2作が同時期に刊行された著者の作品の片割れ。もう一方の作品もまだ読んでいないけど。
まず思ったのは、最小限度のキャラクターで、きっちりとまとめた作品だな、ということ。
中学時代、恋人として付き合っていた結弦と藍衣。結弦は、藍衣の自由奔放な、何事にもとらわれない、という姿に惹かれ、それこそが彼女の魅力であると感じていた。しかし、同時に、その自由奔放な振る舞いが、ある意味、息苦しくもあった。だからこそ、別れることにした。しかし……
人によっては結弦の想いっていうのは、もどかしい、とか、面倒くさい、っていう意見もあると思う。
思うのだけど、自分の想いとか、そういうのを表に出すことが出来ない、っていう人は多いんじゃないかな、と思う。自分自身もどちらかというとそうだし。しかも、藍衣の魅力はそういうある意味で「空気を読めない」という部分だ、というのを理解しているのならば余計に。自分自身、恋愛関係とは違うけど、職場のアレコレとか、家庭関連とかで……っていうのを経験しているだけに、物凄く共感することが出来た。
その上で、結弦と同じ「読書部」という実質的には帰宅部に所属する小田島薫の存在が魅力的。
読書をする部活、とは言え、実質的に帰宅部みたいなもので、何をするわけでもない部活。そこで、読書をするわけでもなく、一種のフリースペースのような感じで何をするでもない場所。薫は、カップ麺を食ったり、スマホをしていたり……。でも、そんな場所にいる薫は、誰よりも結弦を知っている存在であり、そんな彼の想いを聞いて……。場合によっては、鬱陶しい、と思いを抱くかもしれない。でも、耳に痛いことであっても、しっかりと口にして、という存在は貴重であるし、その冷静な分析をすることが出来る薫が魅力的に映った。
多分、1巻で完結だと思うのだけど、分量とかペースとかもしっかりと完成されており、完成した物語だな、と感じた。
No,5942

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この記事は、「新・たこの感想文」に掲載するために作成したものです。
他のブログなどに、全文を転載することは許可しておりません。
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中学時代に付き合っていた恋人・水野藍衣。自由な彼女のことが好きで、しかし、その自由さに苦しんだ。そんな過去を持つ浅田結弦の前に、再び彼女が現れる。「結弦、好きだよ」 以前と変わらない、むき出しの好意を携えて……
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まず思ったのは、最小限度のキャラクターで、きっちりとまとめた作品だな、ということ。
中学時代、恋人として付き合っていた結弦と藍衣。結弦は、藍衣の自由奔放な、何事にもとらわれない、という姿に惹かれ、それこそが彼女の魅力であると感じていた。しかし、同時に、その自由奔放な振る舞いが、ある意味、息苦しくもあった。だからこそ、別れることにした。しかし……
人によっては結弦の想いっていうのは、もどかしい、とか、面倒くさい、っていう意見もあると思う。
思うのだけど、自分の想いとか、そういうのを表に出すことが出来ない、っていう人は多いんじゃないかな、と思う。自分自身もどちらかというとそうだし。しかも、藍衣の魅力はそういうある意味で「空気を読めない」という部分だ、というのを理解しているのならば余計に。自分自身、恋愛関係とは違うけど、職場のアレコレとか、家庭関連とかで……っていうのを経験しているだけに、物凄く共感することが出来た。
その上で、結弦と同じ「読書部」という実質的には帰宅部に所属する小田島薫の存在が魅力的。
読書をする部活、とは言え、実質的に帰宅部みたいなもので、何をするわけでもない部活。そこで、読書をするわけでもなく、一種のフリースペースのような感じで何をするでもない場所。薫は、カップ麺を食ったり、スマホをしていたり……。でも、そんな場所にいる薫は、誰よりも結弦を知っている存在であり、そんな彼の想いを聞いて……。場合によっては、鬱陶しい、と思いを抱くかもしれない。でも、耳に痛いことであっても、しっかりと口にして、という存在は貴重であるし、その冷静な分析をすることが出来る薫が魅力的に映った。
多分、1巻で完結だと思うのだけど、分量とかペースとかもしっかりと完成されており、完成した物語だな、と感じた。
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