ネメシス6
- 19, 2021 12:26
- 複数著者による共著作
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著者:青崎有吾、松澤くれは

シリーズ第6作。今回は、オリジナルエピソードの松澤氏と、ドラマを下敷きにした青崎氏の話の2編。
まずは、松澤氏の『ショーマストゴーオン!』。
「舞台を降りろ」 ネメシスに持ち込まれたのは、最近、名前を知られ始めた女優・羽村美幸に対する脅迫。間もなく始まる舞台で初主演をすることになった彼女に、降板せよ、というものだった。風真とアンナは、見習いとして稽古場へ赴くが、そこに仕掛けられた罠が発動し役者の一人が負傷。風真が代役として出演することになって……
これまでのシリーズの中で、最も風真が活躍した話かもしれない。
急遽、出演することになった舞台。勿論、脅迫状の送り主から美幸を守る、という役割はある。だが、脅迫者の魔の手は、美幸だけでなく、他の役者たちにも……。殺人劇の舞台で、実際に起ころうとする殺人。それを防ぐため、風真はアンナの助言を受けて奮闘する。
松澤氏の作品は、『星と脚光』を読んだだけなのだけど、そちらと同様、芸能、舞台演劇が題材。殺人劇のシナリオに合わせて仕掛けられた罠。それを防ぐ、ということは、シナリオを完全に無視することと同義。当然、舞台は滅茶苦茶に。しかし、観客たちは、それが滅茶苦茶になっているとは思わない。何よりも、一度、始まってしまった舞台は止まらない。当初は、色々とごたごたがありながらも、皆が腹をくくっての物語は素直に面白かった。そして、舞台劇、ではなくて、実際の犯人については……。この世界は、色々と黒い噂も聞くけれども、そういうことも、さもありなん、なんだろうな……
2編目が、ドラマの話でもある青崎氏担当の『カジノ・イリーガル』。
ジャーナリストの神田と出会うきっかけになった事件。その犯人・多治見に話を持ち掛けたのは、IT企業の役員である烏丸という男だった。しかし、目立った功績はなく、なぜかボディガードを雇うなど不可解な点が。ガードの固い烏丸が唯一通うのが、裏カジノ。そこで、詐欺師の緋邑の協力を得て、烏丸に接近することにして……
ミステリーと言っても、こちらはいかに、相手を騙すのか? というコンゲーム的な話。しかも、一種のゲームで。その辺りのやり取りとかは面白かったのだけど……それ以上に……
え? ここで終わりなの?
4月からのドラマに合わせて立て続けに刊行されていたのだけど、小説と言う点ではここからが最終局面のはず。でも、刊行されているのは、ここまで……。これ、完結編のエピソードは出るの? という不安が……
No.5945

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この記事は、「新・たこの感想文」に掲載するために作成したものです。
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まずは、松澤氏の『ショーマストゴーオン!』。
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これまでのシリーズの中で、最も風真が活躍した話かもしれない。
急遽、出演することになった舞台。勿論、脅迫状の送り主から美幸を守る、という役割はある。だが、脅迫者の魔の手は、美幸だけでなく、他の役者たちにも……。殺人劇の舞台で、実際に起ころうとする殺人。それを防ぐため、風真はアンナの助言を受けて奮闘する。
松澤氏の作品は、『星と脚光』を読んだだけなのだけど、そちらと同様、芸能、舞台演劇が題材。殺人劇のシナリオに合わせて仕掛けられた罠。それを防ぐ、ということは、シナリオを完全に無視することと同義。当然、舞台は滅茶苦茶に。しかし、観客たちは、それが滅茶苦茶になっているとは思わない。何よりも、一度、始まってしまった舞台は止まらない。当初は、色々とごたごたがありながらも、皆が腹をくくっての物語は素直に面白かった。そして、舞台劇、ではなくて、実際の犯人については……。この世界は、色々と黒い噂も聞くけれども、そういうことも、さもありなん、なんだろうな……
2編目が、ドラマの話でもある青崎氏担当の『カジノ・イリーガル』。
ジャーナリストの神田と出会うきっかけになった事件。その犯人・多治見に話を持ち掛けたのは、IT企業の役員である烏丸という男だった。しかし、目立った功績はなく、なぜかボディガードを雇うなど不可解な点が。ガードの固い烏丸が唯一通うのが、裏カジノ。そこで、詐欺師の緋邑の協力を得て、烏丸に接近することにして……
ミステリーと言っても、こちらはいかに、相手を騙すのか? というコンゲーム的な話。しかも、一種のゲームで。その辺りのやり取りとかは面白かったのだけど……それ以上に……
え? ここで終わりなの?
4月からのドラマに合わせて立て続けに刊行されていたのだけど、小説と言う点ではここからが最終局面のはず。でも、刊行されているのは、ここまで……。これ、完結編のエピソードは出るの? という不安が……
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