ギルドの受付嬢ですが、残業は嫌なのでボスをソロ討伐しようと思います

著者：香坂マト



デスクワークだから安全。しかも、公務だから安定。理想の職業であるギルドの受付嬢になったアリナ。だが、そんな彼女を待っていたのは理想とは程遠い残業だらけの毎日。すべてはダンジョン攻略が滞っているせい！　アリナは、事態を打開するため、単身、ダンジョン攻略に向かう。だが、その姿を目撃されてしまって……
第２７回電撃小説大賞・金賞受賞作。
既に２巻が刊行されているから何だけど、結構、一発ネタのような気がする。
物語は冒頭に書いた通り。実は、アリナは、ダンジョンボスなども単身で軽く撃破するだけの力を持った人物で、周囲からは畏敬を込めて「処刑人」と言われている。しかし、かつての出来事などもあって冒険者になりたいわけではない。ただ、定時で仕事を終え、ゆっくりとしたい、というだけ。だからこそ、残業続きに苛立ち、自分でダンジョン攻略に乗り出す。ところが、その姿を見られてしまったために、最強の盾と言われるジェイドから誘われ、付きまとわれることになって……
なんつーか、アリナさん、怖い。
残業に苛立ち、付きまとってくるジェイドに苛立ち……そして、キレる。
その怒りこそが、彼女のパワーの源、と言えばそうなのだろうけど、とにかく、ひたすらに苛立っている印象が残る。それがコメディとして楽しい部分ではあるんだけど、この辺りにどうしても一発ネタ感を感じたのも確か。アリナが冒険者として、圧倒的な強さを持っていて、一発で敵を倒してしまう、というところもあわせて。
２巻の方で、これがどういう風に変わっているのか、というのは気になるところ。流石に、同じような形でつづられたら、ちょっと飽きてしまいそうだし。

Ｎｏ．５９４７


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