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泥酔彼女2 「弟クンがんばえー」「助けて」

著者:串木野たんぼ



俺の家に入り浸る酒好きのダメ美人・和泉七瀬。アンチ酔っ払いの俺だったが、そんな彼女がいる生活にも慣れてきた……。そんな矢先、俺の前に現れたのは、五股をして俺に恋愛トラウマを植え付けた元恋人であり、ブレイク中の女優でもある後輩・月浦水守。再開するなり、よりを戻そうとする水守と、羊子は一触即発の事態となって……
2巻になって、一挙に「ラブコメ」っぽさが増したな。
まず言えることは、今巻から本格参入の水守さんのキャラが強烈そのもの、という点。主人公・穂澄の彼女でありながら五股をして、トラウマを植え付け、そして再開したそばから復縁を迫る。勿論、穂澄はそれを拒否するものの、いざ水守と相対すると引き込まれてしまう。しかも、ライバル(?)である羊子に対してはやたらと挑発的。何しろ、自分と穂澄が距離を置いていた間に、羊子が彼女の座に収まると思いきや、っていうのを知るとやたらと見下してくる。そりゃ、犬猿の仲になるわ。
まぁ、羊子が多分、一番の常識人なのだと思う。水守のことがあって、傷ついた穂澄のことを知っているから、叱咤激励をしても、傷つけないように配慮する。自分よりも、というのは何よりも穂澄のことを大事に思っての事だろうし。でも、それが他に付け入る隙となってしまう、という報われなさ。そんな中、水守と共演することとなった七瀬の特訓をすることとなって……
この中で七瀬にも、色々と負けてしまうようになっていく羊子の立場が切ない。一方で、酒飲みでダメな大人という印象の七瀬が、実は……という乙女さ、初心さも明らかに……。こうなると、ますます、羊子の立場が……
水守、羊子、七瀬。3人のヒロインのそれぞれの立場、立ち位置がこの巻ではっきりし、それぞれの動きと言うのも明らかに。前巻の、ただ七瀬に振り回されるコメディと言った話から、本格的にラブコメディへと進化したな、というのを強く感じられる巻だった。

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Tag:小説感想GA文庫串木野たんぼ

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