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久遠の檻 天久鷹央の事件カルテ

著者:知念実希人



かつてアイドルとして芸能生活をしていた少女・楯石希津奈。32歳になっているはずの彼女が、かつてのままの姿で現れた。その姿に驚いた天医会病院精神科部長の墨田に呼ばれた鷹央は、早速、彼女の検査をしようとするが、そこに現れた父親に連れ去られてしまう。だが、その際に取ったMRI画像には、彼女の脳には脳炎があって……
シリーズ第12作。
作中でも言われていることだけど、またカルト宗教かい! いや、宗教法人じゃなくて、オンラインサロンだけど、やっていることは実質同じ。
ただ、今回は本当、無茶苦茶に色々なものを詰め込んできたな、というのをまず思う。
物語の発端としては、16年前、アイドルとして活動していた希津奈。彼女が、当時そのままの姿で現れた、という謎。オンラインサロンで、永遠の若さを、ということで荒稼ぎしているわけだが、それは本当なのか? そして、そんなときに発見されたミイラ化した遺体。それは、当時、失踪していたマネージャーの他殺体で、そこには希津奈と同じDNAがある。となると、やはり……? そんな中、希津奈は、身投げ、復活という儀式を配信する。しかも、身投げの後に発見された遺体からも同じDNAが確認され、でも……
このシリーズ、宗教ネタは多いのだけど、ある意味、これまでの作品の中でも一番、宗教的なネタを取り入れているように感じる。
でも、それ以上に不可解なのは、その中に横たわる「16年前と同じ姿」と、「同じDNAを持った存在」の謎。一卵性双生児、であるならば、同じDNAを持っていることになるけど、しかし、同じ姿で現れる、ということの説明はつかない。遺体から見つかった帝王切開の手術痕などは一体なになのか? 次々と謎が提示され、一つの謎を解く鍵と思われることを考えても、別の部分から矛盾が生じてしまう。それでも、一つ一つ、希津奈、その家族の過去などを調べ上げて……
一つ、解決したように見えてのさらなる一手。その辺りの展開もさることながら、今回は犯人、黒幕と言える存在の印象が強いな。本当、サイコパスというか、全てを自分本位で考え、そのために何でもアリとする。その怖さ、そして、「同類」と言われる鷹央。しかし……という姿もまた印象に残った。
それにしても、すげぇこと考えるわ……

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Tag:小説感想新潮文庫nex知念実希人

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