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お口直しには、甘い謎を

著者:高木敦史



皆が取り憑かれたようにダイエットに励む女子高生たち。そんな中、佐知の友人・カンナは、気になることがあるとストレスから甘いものをドカ食いしてしまう。ダイエットだ、と言いながらも佐知とカンナの前には奇妙な事件が次々と発生して……
という連作短編集。全4編を収録。
粗筋には、こういう風に書いたのだけど……ええと、ぶっちゃけ、カンナ、謎とか関係なく食べまくっている気がする……。例えば、2編目のエピソードとか、謎とか関係なく、ただ、自分が食べるために勝負を持ち掛ける、って話だし……
で、各編の物語なのだけど、日常の謎、の延長線上にあることは間違いのないところ。例えば、1編目『タベルナの暴食』は、放送部の企画で、学食の新メニューコンテストの最中、ラーメンの中に食べかけのガムが混入した、という事件。メニューがどういうものなのか、ガムという食品の特徴と、そこで生じるおかしな点から……というのはしっかりと論理的。また、3編目『ミントチョコアイスの告白』は、オリエンテーリングの最中、佐知がグループの他の人からはぐれてしまった、という謎。その前に、クラスでも有名なイケメンから告白をされた、なんていうのがしっかりと伏線となり、ちょっとほろ苦い真相と上手くまとめられている。謎解き、という意味では十分に楽しむことが出来た。
ただ、良くも悪くも、探偵役であるカンナのキャラクターが強烈。
……はっきり言って、すごく嫌な奴、と感じられるんだよな。先に書いたように、そもそもがドカ食いをするような娘、ということで当然、太っている。いや、それだけなら良いのだけど、そこに触れられると途端に激昂する。さらに、自分はというと、佐知をはじめとして周囲に皮肉だとか、そういうものを言いまくる。佐知とカンナの出会いを描いた2編目『フルーツタルトの洗礼』なんかは、ある意味、カンナが言いがかりをつけ、実はそんなことを望んでいなかった……みたいに見せながら……だし。普通、仲良くしたくなくなるよ。
それでも、4編目『スイートポテトの清算』にて、決定的な溝が出来たと思ったら……での和解。一応、カンナの側の人間性みたいなものが垣間見えて、で後味よく終わったのは良かった。ただ、結構、分量を割いて書いたように、カンナのキャラクターが強烈なので、そこで好き嫌いが大きく分かれそうだな、というのは強く感じた。

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Tag:小説感想高木敦史

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