著者:支倉凍砂

借金に苦しむサロニアを救ったロレンスとホロ。サロニアに留まる二人の元には、その後も相談が舞い込んで……
と言うことでの短編を4本収録した短編集。
1編目『狼と宝石の海』。ラーデン司教領と呼ばれる村の代表ラーデン。ロレンスに持ち込まれたのは、その村がどうにか教会から金を借りるようにしてくれないか? というものだった。
司教領と言われるが、ラーデンは司教ではなく、村を切り開き、人々を導いてきた人物。聖職者よりも聖職者らしい行動に対し、司教という資格を与えようというのだが、当の本人はそれを固辞。その理由は? そもそもが「教会が金を貸したい」というところで、変な話だし、というトリッキーな話。そして、正式に司教になる、というのは村の人々にも良い話。本人は、鱒の養殖が上手くいっていないことを理由にしているが、村が苦しんでいるわけでもない。その背景は……
ある意味で、凄くシンプルな理由ではある。あるのだけど、このシリーズのロレンス自身とも重なるところが……。村のためとか、そういう人にも必ずやって来る運命。それを強く感じる。
で、同じくサロニアでのその後を描いた3編目『狼とかつての猟犬のため息』。サロニアを救ったことでロレンスに対し、貴族特権が与えられる? 浮かれているロレンスにあきれ顔のホロ。さて、そのことで、ロレンスが何を狙っているのか、というのをホロは探ることにするのだが……
物語の中にある伝承。巨大な蛇を退治して、この地域を収めたという領主。それは、神話の神のような存在なのか? とか、そういう謎があるのだけど、ロレンスが特権を得て手にした者。この新シリーズになって以降のパターンではあるんだよな。
というか、この巻、やたらとロレンスが自分の年齢とかを感じるっていうシーンが多かったように感じる。でも、ロレンスって、初登場時で20代半ばくらい。ミューリ、コルの年齢を考えてもまだ精々40くらいじゃないの? と思ってしまう。まぁ、中世の世界観だと、というのはあるにせよ……。
No.5990

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この記事は、「新・たこの感想文」に掲載するために作成したものです。
他のブログなどに、全文を転載することは許可しておりません。
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司教領と言われるが、ラーデンは司教ではなく、村を切り開き、人々を導いてきた人物。聖職者よりも聖職者らしい行動に対し、司教という資格を与えようというのだが、当の本人はそれを固辞。その理由は? そもそもが「教会が金を貸したい」というところで、変な話だし、というトリッキーな話。そして、正式に司教になる、というのは村の人々にも良い話。本人は、鱒の養殖が上手くいっていないことを理由にしているが、村が苦しんでいるわけでもない。その背景は……
ある意味で、凄くシンプルな理由ではある。あるのだけど、このシリーズのロレンス自身とも重なるところが……。村のためとか、そういう人にも必ずやって来る運命。それを強く感じる。
で、同じくサロニアでのその後を描いた3編目『狼とかつての猟犬のため息』。サロニアを救ったことでロレンスに対し、貴族特権が与えられる? 浮かれているロレンスにあきれ顔のホロ。さて、そのことで、ロレンスが何を狙っているのか、というのをホロは探ることにするのだが……
物語の中にある伝承。巨大な蛇を退治して、この地域を収めたという領主。それは、神話の神のような存在なのか? とか、そういう謎があるのだけど、ロレンスが特権を得て手にした者。この新シリーズになって以降のパターンではあるんだよな。
というか、この巻、やたらとロレンスが自分の年齢とかを感じるっていうシーンが多かったように感じる。でも、ロレンスって、初登場時で20代半ばくらい。ミューリ、コルの年齢を考えてもまだ精々40くらいじゃないの? と思ってしまう。まぁ、中世の世界観だと、というのはあるにせよ……。
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