fc2ブログ

スパイ教室06 《百鬼》のジビア

著者:竹町



ディン共和国のスパイチーム『灯』に入った一報。それは、スパイ学校のエリートチーム『鳳』が全滅した、というもの。状況を知るため、『鳳』が潜入していた同盟国・フェンド連邦へ入ったジビアだったが、そこでかの国のスパイチーム『ベリアス』に囚われてしまう。そして、ジビアは『鳳』が連邦の皇太子襲撃事件に関わっていた、と聞かされるのだったが……
今回は、結構、時系列が入り組んでいて整理するのが大変だったかも。
前巻、5巻で『灯』に対し、クラウスをよこせと迫った『鳳』。最終的には『灯』が勝利を収めたものの、個々の能力などにおいては完敗していた『灯』。そんな実力派揃いの『鳳』が本当に全滅したのか? 全滅という一報を伝えてきたランを除いては死亡という情報しかなく、そのラン自身も行方不明。そして、そんな『鳳』が同盟国の皇太子を襲撃するとは?
ジビア自身は、クラウスの介入によって助けられるものの、『ベリアス』はラン捕獲を要求。ジビアの代わりにティアを人質にすることに。わずかな時間しかない中、『灯』の行動が始まる……という流れではあるのだけど、そういう話の中に、『灯』と『鳳』の過去の交流が綴られ、さらに、全滅が伝えられてからの物語なども挿入されるため、時系列がバラバラでちょっと混乱したところはある。
ただ、『灯』と『鳳』の交流がまず笑ってしまう。前巻では完全に敵対心むき出しだった両者だったけど、対決が終わった後も毎日のように訪れる『鳳』の面々。当然、『灯』の面々は迷惑に思うもののお構いなし。そんな日々が続いていく。だが、毎日のように来ることは迷惑だが、仕事に対する姿勢については共感も覚えていく。勿論、エリート集団である『鳳』から学ぶことも。そんな交流があるからこその違和感。
そもそも、同盟国の皇太子を襲撃するはずがない。でも、フェンドのスパイチームは……。力づくで倒す、というのでは、同盟は破綻し、全面戦争になってしまう。そんな中で状況を打破するには……
一応、この巻でも事件は一区切りついてはいる。いるのだけど、フェンドのスパイチームを操っていた存在がいる、ということ。そして……
前巻同様、この引きは強烈だなぁ……

No.5999

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
にほんブログ村

この記事は、「新・たこの感想文」に掲載するために作成したものです。
他のブログなどに、全文を転載することは許可しておりません。
「新・たこの感想文」以外で全文を転載したブログ等がありましたら、それは著作権を侵害した違法なものとなります。

スポンサーサイト



Tag:小説感想富士見ファンタジア文庫竹町

COMMENT 0