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異世界蹂躙 淫靡な洞窟のその奥で3

著者:ウメ種



欲望のままに生きるスライム『ブラックウーズ』によって陥落した魔導王国フォンティーユ。女王レティシアが苗床にされてしまう中、王国を脱出した娘のマリアベルとメルティア。勇者の聖剣がある森の王国グラバルトへ向かう二人。しかし、ブラックウーズもまたその聖剣が保管されている移籍を目指していた……
物語としては、ここで一段落、という感じなのだけどまだ続くのかな?
前巻で事実上滅ぼされたフォンティーユ王国。そこから辛くも脱出したマリアベルとメルティアは、ブラックウーズを倒す希望といえる聖剣を手にするために獣人の国グラバルトへ。二人の母と同じく勇者と共に戦ったフォーネリス。妖精の長・タイタニアの協力などもあり、遺跡への道は開かれる。しかし、グラバルトの人々もブラックウーズがどういう存在なのか、はっきりとは自覚していなかった。そして、ブラックウーズもまた、次々と雌たちをむさぼりながら……
ひたすらエロシーンだったこれまでの巻と異なり、今回は中盤までは(ブラックウーズのシーンは別にして)、旅をして、交渉をしてというシーンが続く。その中で、マリアベル、メルティア姉妹の交流だったり、フォーネリスと姉妹のやりとりだったりと平和な描写。だからこそ、迫りくる不気味さ、とううのはあるのだけど。そして、いざ訪れた遺跡で未那を待ち受けていたもの……
ここまでのブラックウーズの、隙間とかそういうところから忍び寄る恐怖とは違い、遺跡の中の壁とか置物に擬態して……というまさに罠のような策略。その中で、一人、また一人と犠牲にされていく恐怖。しかし、それでも、ブラックウーズを倒すには……と姉妹を先に進めようとするフォーネリスたちの奮闘。基本がエロ小説みたいなものなので、捕まって……っていうシーンの分量があるのは仕方がないのだけど、これまでの一方的に蹂躙されて、というのとは違った形の話になっている。そして、皆の犠牲、自らも……となりつつもマリアベルが剣を手にして……
ここまではただただ絶望へ、という形だった物語に希望が見えて、という話なのだけど……ここで完結してもよさそうな気はする。反撃の芽は見えた。けれども嫌な予感も少し残っていて……という終わり方って、ゾンビ映画のラストシーンみたいでこれはこれで味があるし。

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Tag:小説感想ダッシュエックス文庫ウメ種

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