著者:香坂マト

安定した生活を信条としてギルドで働くアリナ。彼女の直近の夢は、受付嬢になって3年、一度も参加することが出来ていない街の祭「百年祭」に参加すること。勿論、そのためには残業をすることなく、定時で帰ることが必要。しかし、祭を数日後に控え、なぜか冒険者たちが殺到するようになって……
まず思ったのが、1巻とちょっとカラーが変わったかな、ということ。
1巻の場合、とにかく安全で安定した受付嬢であるアリナが、残業を嫌って残業の大本であるダンジョンのボスを狩って事態の収拾を図る……という、ある意味で、問答無用の無双っぷりを楽しむ、というような話。
ところが、今回は、百年祭に参加したい、というところでなぜか増えた冒険者。その背景に、裏クエストがあるらしい、という噂……それもデマがある、ということで一応、そのデマの出元を突き止めたりはするけど、それで状況が一気に改善されるわけではない。そんな中で、アリナに付きまとう冒険者であるジェイドがその仕事を手伝ったりする。
残業が嫌で、それにイラついたり、なんていうシーンはあるんだけど、普段、あれだけ嫌っていたジェイドの仕事の早さに驚いたり、「祭に行きたい」というアリナのために……という彼の親切をありがたく思ったり……と大分、態度が軟化。前巻ではひたらすらに「空気の読めない奴」だったジェイドの格好良さとか、そういうのがかなり強調されていたように思う。そして、念願の百年祭に「ジェイドと一緒に」参加することが出来るのだが、そこで事件が……
本作のもう一つのテーマである回復役の立ち位置、みたいなのは分量を割いている割にちょっと印象が弱いかな? と感じた部分はあるのだけど、前巻でひたすらアリナを苛立たせるだけの存在だったジェイドの魅力がしっかりと伝わるようになってきたのが何よりも印象的だった。その辺りを通して、アリナの側もジェイドたちを守りたい、とか、そういう感情も強くなってきているわけだし。
そして、その上で魔神を復活させよう、という存在がいる、というのが大きくクローズアップされて、シリーズとしての根幹が見え始めたな、とも思う。
No.6031

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この記事は、「新・たこの感想文」に掲載するために作成したものです。
他のブログなどに、全文を転載することは許可しておりません。
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安定した生活を信条としてギルドで働くアリナ。彼女の直近の夢は、受付嬢になって3年、一度も参加することが出来ていない街の祭「百年祭」に参加すること。勿論、そのためには残業をすることなく、定時で帰ることが必要。しかし、祭を数日後に控え、なぜか冒険者たちが殺到するようになって……
まず思ったのが、1巻とちょっとカラーが変わったかな、ということ。
1巻の場合、とにかく安全で安定した受付嬢であるアリナが、残業を嫌って残業の大本であるダンジョンのボスを狩って事態の収拾を図る……という、ある意味で、問答無用の無双っぷりを楽しむ、というような話。
ところが、今回は、百年祭に参加したい、というところでなぜか増えた冒険者。その背景に、裏クエストがあるらしい、という噂……それもデマがある、ということで一応、そのデマの出元を突き止めたりはするけど、それで状況が一気に改善されるわけではない。そんな中で、アリナに付きまとう冒険者であるジェイドがその仕事を手伝ったりする。
残業が嫌で、それにイラついたり、なんていうシーンはあるんだけど、普段、あれだけ嫌っていたジェイドの仕事の早さに驚いたり、「祭に行きたい」というアリナのために……という彼の親切をありがたく思ったり……と大分、態度が軟化。前巻ではひたらすらに「空気の読めない奴」だったジェイドの格好良さとか、そういうのがかなり強調されていたように思う。そして、念願の百年祭に「ジェイドと一緒に」参加することが出来るのだが、そこで事件が……
本作のもう一つのテーマである回復役の立ち位置、みたいなのは分量を割いている割にちょっと印象が弱いかな? と感じた部分はあるのだけど、前巻でひたすらアリナを苛立たせるだけの存在だったジェイドの魅力がしっかりと伝わるようになってきたのが何よりも印象的だった。その辺りを通して、アリナの側もジェイドたちを守りたい、とか、そういう感情も強くなってきているわけだし。
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