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現実でラブコメできないとだれが決めた?4

著者:初鹿野創



塩崎生徒会長候補は不信任。激動の生徒会選挙は、思わぬ形で決着した。「こんなはずじゃ」混乱する耕平は、それでも成し遂げたい理想のため、次の策を必死に考える。そんな彼の前に現れた「メインヒロイン」清里芽衣は語りだす。自らの過去と現在を……
いよいよラスボスが動き始めました! 違うか。
ただ、過去の巻で耕平の行動に対して反発し、策を練っている、というのが示されていたわけで、やっぱり清里さんはラスボスという印象なんだよな。そして、いよいよそんな彼女が、なぜそうなったのか? というのが語られる巻。
「みんなを笑顔に」
そういう思いを抱いて、周囲を盛り上げる存在であった中学時代の芽衣。周囲から距離を取っていた子を受け入れ、イベントなどにも参加する。そして、そのイベントを盛り上げようと努力する。実際、そんな彼女の行動は多少の反発を産みながらも上手くいっていた……はずだった。しかし……
ある意味では、過去3巻の耕平と同じような行動をしていた芽衣。周囲の何人か、からは「お前は普通じゃない」なんていう言葉を言われながらも、しかし、周囲を笑顔にする、というのが使命であるように、時には自己犠牲を払ってまで。だが、迎えた文化祭。ふとしたトラブルも何とか解決して……。そう思った矢先、彼女は自分が目立つために、自分が主役になるために動いていた、という扱いにされてしまって……
実際問題として、中学時代の芽衣が「普通じゃない」のは確か。それは、自己犠牲に立ってまで、なんていう部分もあるし、人の悪意とかそういうものを考えない、なんていう部分もある。そして、何よりも、自分の恋愛とかそういう部分については「タブー」と思い込んでいる、という部分でも。しかも、それを本人は「普通」と考えている、なんていうのもある意味ではおかしいし。
でも、それは耕平にもまた言えること……
ただ、考え方を変えれば耕平と芽衣でちょっと違うところもあるんだよな。それは、「何のために」という部分。確かに、耕平の行動も大分おかしい、とは言える。でも、結局、自分が何よりも楽しみたい、という部分。芽衣の使命感から、とは違うはず。
この巻で完全に挫折した形になっているんだけど、耕平がそこにどう気づくか? そこが次巻の見どころ、かな?

No.6039

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Tag:小説感想ガガガ文庫初鹿野創

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