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ドラキュラやきん!4

著者:和ヶ原聡司



京都での出来事から2週間。アイリスの様子がおかしい。虎木と顔を合わせようとしないし、顔を合わせてもすぐに姿を消してしまう。訳の分からない時を過ごす虎木だが、そんなところで、勤務先のコンビニオーナー村岡の娘・灯里が転がり込んでくる。しかも灯里は、虎木とアイリスが付き合っていると勘違いをしており……
粗筋に「ラブコメの気配を感じつつ」とあるのだけど、まさにそんな感じ。でも、物語的にもかなり核心に迫ってきた印象。
京都での出来事がきっかけとなってなかなか虎木と顔を合わせないようになったアイリス。未晴のちょっかいとかはありつつも、詩澪やら灯里らからは、あきれられるような状態。そんな中、闇十字騎士団の新人で、アイリスの下で修業中のユーリもまた、アイリスと虎木がと言い出す。そんな中、街には闇十字騎士団の団長ら、大物も。そして、時を同じくして、吸血鬼となった虎木を育てた師匠・ザックも……
闇十字騎士団からはマークされる吸血鬼・ザック。それは、虎木の師匠であり、アイリスの「パパ」であり、そして、アイリスの母を殺した存在。その事件こそが、アイリスの男性恐怖症の原因ともなっている。しかし、アイリスは、ザックのことを恨んでいるわけではなく……
と、この関係性、かなり入り組んでいるのだけど、その背景にあるのは、人間と吸血鬼(ファントム)との関係性、なんだよな。なぜ、闇十字騎士団とアイリスのザック評が割れているのか? そんな背景に隠されていたもの。それを考えたときに、アイリスの虎木に対する想い、というのにも道がある可能性が示唆されて……
虎木にとっての宿敵である愛花についても新事実がここで描かれたし、色々と深堀された上で今後に向けてのアレコレというのが詰め込まれた巻だったな、というのを何よりも思う。

No.6042

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Tag:小説感想電撃文庫和ヶ原聡司

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