fc2ブログ

能面検事の奮迅

著者:中山七里



私立校の建設予定地として売却された国有地。その金額が不当に安く提供されていたとして、経産省官僚、そして地元政治家の関与が疑われる荻山学園問題。数年前、資料の改竄問題で批判の矢面に立たされた大阪地検は、汚名返上を晴らすべく捜査に当たっていた。だが、そんな矢先、再び資料の改竄疑惑が浮かび上がってしまう。能面検事と言われる不破は、最高検から派遣された東京地検の調査チームに加わることになるが……
能面検事シリーズの第2作。
上に書いた粗筋からもわかるように、物語のモチーフには現実の森友学園問題がある。地元政治家の関与。さらに、その下で、経産省官僚が土地の選定、さらに値下げなどに対しても関与していた、という疑惑があがる状況での物語。しかも、その最中で文章改竄問題が発生。その改竄したのは、不破と同じく大阪地検のエース格と言われる高峰検事で?
前作は殺人とか、そういう部分での話だったのに対し、今回は汚職問題。しかも、大阪地検が舞台になるのだが、不破はその大阪地検を調べることに……。警察小説ならぬ検察小説的な物語へ……と思ったのだけど……
なんか、話が変なところに行ってしまったな、という印象に。実際の森友学園問題も有耶無耶になったまま……ってのもあるとは思うけど。
物語の焦点としては、高峰、そして、官僚・安田の接点。疑惑の渦中にいる安田と、高峰は同じ大学の出身で、通っていた時期も重なることが判明。しかし、その出身大学は大規模校であり、それだけでは何とも言えない。さらに、ラグビー部のエースだった高峰と、苦学生であった安田には接点と言えるものがなかった。しかし……
正直なところ、接点が判明したところで物語の構図はわかってしまうし、最後のひっくり返しもある程度、予想の範囲内。リーダビリティの高さとかは流石なんだけど、何か全体を通して不完全燃焼な感じがしてしまった。
何というか……これ、長編じゃなくて短編で書いた方がテンポとかを考えても良かったんじゃないかな?

No.6052

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
にほんブログ村

この記事は、「新・たこの感想文」に掲載するために作成したものです。
他のブログなどに、全文を転載することは許可しておりません。
「新・たこの感想文」以外で全文を転載したブログ等がありましたら、それは著作権を侵害した違法なものとなります。

スポンサーサイト



Tag:小説感想中山七里

COMMENT 0