声優ラジオのウラオモテ＃０６ 夕陽とやすみは大きくなりたい？

著者：二月公



アイドル声優プロジェクト『ティアラ☆スターズ』始動！　ゲーム、アニメ、ラジオと連動する大型企画。その企画の始まりは、声優ユニット同士の対抗ライブ。そして、そのリーダーに選ばれたのは、夕陽とやすみ。しかし、やすみが所属するユニット・ミラクのメンバーは不満たらたらで……
今巻は、大分カラーが異なるな、というのがまず最初に思ったこと。
これまでの巻は、基本、やすみと夕陽が一緒に何かをして、という話が主だったわけだけど、今回はやすみと夕陽が別の、ライバルと言えるユニットのリーダーに。そして、やすみ視点で綴られる物語という性質上、今巻は夕陽の出番があまりない。ついでに、作中のラジオも、『ティアラ☆スターズ』のラジオで、いつもの『コーコーセーラジオ』ではないし。
ということで、物語の中心になるのは、やすみがリーダーになったミラクのアレコレ。
メンバーとなったのは、先輩でもあるめくるは別にしても、他のメンバーは。元子役の小学生ミント。そして、新人だけど年上の飾莉。役者として、一番、経歴があるミントは、その経歴から文句たらたら。そして、飾莉はユニットの中でも、ダンスなどの技術が抜けている。しかし……
新人声優のギャラの少なさ。そんな中で練習などに時間を取れないというジレンマ。そういう声優業界のアレコレ。そういう状況の中でやすみは苦戦をする。そして、対する夕陽のユニットはしっかりと完成されていて……。リーダーとしての焦り。そんな中、やすみは、夕陽に「絶対に負けない」と約束をして……。しかし……
ある意味では、これまでの話はライバルと言っても、同じ境遇を持っていた二人。でも、声優という土俵であるが故に争うような場面もある。けれども、というのがまず描かれていたと思う。と同時に、今回のラストシーンで、さらなる試練が……。これまでのエピソードとはカラーが異なっていたわけだけど、そう言う部分も含めて、シリーズ全体でのターニングポイントになりそうな巻だったな、というのを思わずにはいられない。

Ｎｏ．６０６６


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